2017年01月27日

日本国召喚の表紙

表紙
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posted by くみちゃん at 18:16| Comment(190) | 小説

2017年01月24日

第63話忘れられた世界6(p4)


◆◆◆

漆黒の騎士が前方から大きな馬に乗り走って来る。
 彼は魔軍を統括するバハーラの前まで来ると馬を折り、兜とり去り膝をつく。その顔は焦りに満ち、ワナワナと震えている。
 伝令を任されている漆黒の騎士だった。

(何かあったか……先ほど前方で連続した爆発音が聞こえた。やはり谷で敵は仕掛けて来たか……。
 谷以外に大軍が侵攻出来るルートは無い。(少数であれば通るところはいくらでもある)消耗品であるゴブリンを先行させたのは正解だったな。)

「どうした?」

「ははっ!!報告いたします!我が軍の前方が谷の出口を前に、攻撃を受けました。敵は超高速の光弾を連続して射出!すべてがゴブリンの致死するほどの威力があり、中には消滅させてしまうほどの威力のあるものも確認いたしました。
 特に高威力光弾は、直線上の者をすべて殺傷するほどの威力があり、谷から2000mまでにいたゴブリンは全滅いたしました。」

「なにっ!!」

 想定以上の被害が出ているようだった。谷から2000mとは……敵は「太陽神の使い」が残した兵器でも投入したのか?
 しかし、それでも余りある兵力がこちらにはあるはず。

「損耗はどの程度だ?」

「……約1万です。繰り返し突入し、敵の兵器による攻撃を繰り返し受けた事により、1万ものゴブリンが消耗いたしました。」

想定を遥かに超える被害に、バハーラの血の気が引く。

「な……1万!?1万だと!??いったい何が……まさか……神代の兵器?敵に鋼鉄の地竜は確認されていないか?」
 
「はい、鉄龍などは確認さえていません。谷の出口に2名の人間は見えたと報告があります。」

「に……たったの2名だとぉ!!」

 バハーラはザコとはいえ、実に自軍の20パーセントがいきなり損耗した事に苛立ちを隠せずにいた。

「現在敵の爆裂魔法により、谷の出口が高さ約15mにわたり崩落しています。これ自体は魔軍の身体能力をもってすれば、超える事は容易ですし、同壁が敵の直線的に飛翔してくる兵器を防ぐ盾となってくれるでしょう。
ただ、敵には曲線を描いて飛ぶ兵器も確認されております。」

「うむ……解った。ゴブリンの残りをすべて投入してでも谷の出口を確保しろ。一気にどれだけ被害が出ようとも、谷の出口を確保するんだ。平地に出れば、敵の攻撃効率も落ちよう。」

 魔軍を率いる鬼、知将バハーラの心に僅かな不安がよぎった。


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posted by くみちゃん at 10:59| Comment(38) | 小説

第63話忘れられた世界6(P3)



 谷の出口から約100m先に掘られた塹壕の中で、銃士ザビルと岡は戦闘準備をしていた。

「エスペラント王国防衛の、最初の栄誉は私がいただく、よろしいな?」

「はい。事前の打ち合わせのとおり、谷の出口から100mほど谷側に入ったところへ敵が侵攻してきたら、射撃を開始してください。」

 谷から敵が出てしまうと、敵の移動範囲が大きくなり、弾が無駄になる。かといって、塹壕を谷に近づけすぎると、もしも絶壁の崖の上から攻撃を受けた場合に対応が出来ない。
 ザビルは岡から渡された異国の兵器、たしかミニミ軽機関銃といったか……を構える。

「それにしても……毎分725発か……凄まじいな。」

 銃の性能に感心する。
敵はすでに谷の出口から100m入った防衛ラインを超えて走ってきている。
銃士ザビルは王国を滅びから救うために引き金を引いた。

 轟音と共に、曳光弾を交えて5.56mmNATO弾が射出される。
 有効射程距離800m以上にも及ぶ機関銃の弾は、毎分725発の猛烈な連射力をもって魔軍に向かった。

「グガァァァッ」

「ピギャァァァァァ」

 魔物たちの断末魔が聞こえ、次から次へと倒れて、あふれ出た緑色の血が大地を染める。
 弾は、前方のゴブリンだけではなく、その後ろを走っていた者達をも貫通する。
 魔物は溢れんばかりの量、次から次へと侵攻してくるが、雨のごとき量の銃弾に倒れ、積みあがっていく。

「……まずいな。」

 魔物達の量があまりにも多く、射撃して倒してはいるのだが、谷の入口から約750mほど入った所に死体が積みあがりすぎて壁となり、その向こう側の射撃への妨げとなってきていた。
 やがてザビルのミニミの弾が切れる。
 すかさず岡がミニミで射撃を開始し、ザビルが給弾作業を行う。
 弾幕は途切れることなく魔軍へ向かうが、徐々に死体が妨げとなって、距離を詰められる。
 1発で3匹倒せていたところが、直線的射撃が死体の山により難しくなってきた事から、3発で1匹と、射撃効率がどんどんと落ちていく。
 それでも、谷を出すと射撃効率は激減するため、なんとかここで敵の数を減らしたい。
 彼らは交互に射撃していたが、やがて軽機関銃(ミニミ)は弾切れとなってしまう。

 谷の入口から約800mほど押し戻されていた魔軍の群れは、弾切れを合図に奇声を発しながらどんどん迫る。

「岡殿!本当に大丈夫なのかい?」

「心配しないでください!!」

 銃士ザビルは先ほどの軽機関銃よりもはるかに大きい銃を敵に向け、有効射程距離2000m以上にも及ぶ12.7mm重機関銃の引き金を引いた。
 重たい音と共に、マッハ3以上の速度で機関銃の弾が敵に迫る。
 前方で着弾したゴブリンは、消滅し、直線状の者がなぎ倒される。放たれた弾は、谷の入口から約750m先に積みあがった魔物の死骸を吹き飛ばし、その後ろにいた魔物までも倒す。
 超高威力の銃弾が連続して発射され、谷の入口から2000m先までなぎ倒された。
 ゴブリンたちは恐慌状態に陥ったが、撤退すれば後ろに控える漆黒の騎士たちに殺される。弱い魔物たちは、泣きながらも敵に向かって突進していった。


 先ほどまで激しい猛攻を加えていた攻撃が、ぴたりと止む。12,7mm重機関銃の弾切れ……。
 ザビルが焦りの表情を浮かべる。

「弾が切れたぞ!!本当に大丈夫なんだろうね?」

「たぶん大丈夫です!」

 魔物の群れは、激しい猛攻が止んだため、今がチャンスとばかりに奇声をあげながら谷の出口へと向かう。

 城壁の上からは、白い大地に黒いうねりが岡達を飲み込もうと向かっているように見える。

「とてつもない威力を持った魔導も切れたか?奴らこのままでは魔軍に飲み込まれるぞ!!!」

「奴らは良く戦った。たったの2人で、とんでもない量の敵を倒している。この戦いは我が心に刻もう。」

 兵たちは、勇敢な2人の最後を見届けようと、目を見張る。
 次の瞬間、谷の出口が猛烈な煙と炎に包まれ、少し遅れて耳を塞ぎたくなるほどの轟音が戦場にこだまする。
 谷の出口の崖は崩れ落ち、出口付近に高さ15mほどの壁を作り出す。

「何だ!何をした!!!」

「解らん!!」

 城壁の上で、兵たちは次々と起こる自分たちの戦闘概念とはかけ離れた現象に頭を悩ますのだった。



「今だ!!」

 岡は、あらかじめ設置していた、96式40mm自動てき弾銃に角度をつけて連射する。
 射出された「てき弾」は、放物線を描き谷の出口に出来た壁の先へ連続して落ち、爆発する。
 爆発は1カ所ではなく、広範囲に渡り連続して巻き起こり、ゴブリンたちをなぎ倒していく。
 出口に壁が出来、やっと敵の攻撃を防げると考えていたゴブリンたちは、あまりの恐怖に立ち尽くし、なぎ倒されていった。
 個人で使用する面制圧兵器、毎分250発、射程距離2200mにも及ぶ自動てき弾銃は、50発入りの弾倉を12秒ほどで使い切り、すぐに弾倉交換をして射撃を繰り返し、数分で全弾薬を使い切った。

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posted by くみちゃん at 10:58| Comment(1) | 小説