2018年09月14日

第82話駆け抜ける衝撃2 P1

グラ・バルカス帝国 レイフォル領 最前線基地バルクルス

 航空隊の作戦司令室において、空将パースは各幹部に指示を出し続けていた。
 レーダースクリーンが真っ白になる現象、敵からの攻撃が予想され、的確に配置指示をしていく。

『第1対空砲陣、配置完了』

「了解」

『護衛戦闘機、順次離陸開始』

「了解」

「第1次攻撃隊は、全機未帰還だ。何が来るか解らん、気を抜くなよ!」

 空将パースは横にいる軍幹部に話しかける。

「パース空将、決して敵を侮りません。ただ、敵が何であろうとも、我が軍は不敗です
帝国は……決して負けません」

 精神論を振りかざす軍幹部に、パースは僅かな苛立ちを覚える。

 しかし、兵達は迅速的確に動き、練度の高さをうかがわせる。
 その時だった……。


 突如として窓から閃光が走る、続いて響き渡る轟音……。
 基地の窓ガラスがビリビリと振動する。
 彼は音のした方向を見た。

「か……滑走路が!!!」

 猛烈な爆発と共に、煙を上げる滑走路。その数は1つでは無く、何カ所にも及んだ。
 運悪く、離陸中の護衛戦闘機も爆発に巻き込まれた機があり、猛烈な炎を上げて滑走路上に停止する。

「どこだ!!!どこにいる!!!ガッ!!!」

 炎を上げていた駐機中の航空機は、爆弾に引火、耳をつんざく爆発音と共に、猛烈な炎を吹き上げた。
 誘爆による爆発はすさまじく、その衝撃は航空管制司令部の窓ガラスを割り、空気を振るわす。
 彼は空を見上げるが、その対象物を見つける事は出来ない。

 ウウウウゥゥゥゥゥーーーー……

 爆発の後、最前線基地バルクルスに攻撃を知らせるサイレンが鳴り響く。
 人間の警戒心を刺激するサイレンにより、緊迫した空気が走る。
 兵達は慌ただしく動きはじめ、爆発音とサイレンによってたたき起こされた休憩中の兵達も走り回った。
 しかし……爆発は1度や2度では無く、連続して発生した。
 攻撃は止む事無く、駐機中の航空機も爆発に巻き込まれる。
 
 航空機は、猛烈な炎を上げ、第2次攻撃のために自身が抱えていた爆弾が誘爆する。
 誘爆は、他の航空機を引火させ、負の連鎖は続いた。
 基地からは猛烈な炎と煙が上がるが、攻撃は緩む気配も無く、敵の爆弾は的確に航空機を破壊していく。

 滑走路、待機中の航空機。

「ちくしょう、航空機がやられた!!対空陣地は何をしている!!!」

 パースは対空陣地をにらむ。
 しかし、次の瞬間、その対空陣地も閃光と共に四散した。

「やられたかっ!!!」

 付近に爆弾が落ちた形跡は無いのに、一撃……たったの一撃で対空陣地は破壊された。

「信じられん命中率だ!!」

 一時的に、反撃手段を失う。
 パースの背中に冷や汗が伝う。

「レーダーはまだ戻らんのか!?」

「レーダーは故障していません、何らかの外部的要因です。高出力化してみます」

「頼んだぞ、目を奪われたままなら相当不利だ!!!」

 彼は空をにらむ。
 まだどこから攻撃をうけているのか理解出来なかった。
 睨んだところで、どうにもならない事は理解していたが、気を張っていないと、恐怖で逃げ出しそうだった。
 敵は、軍の重要施設をとてつもない命中率で、狙い撃ちしているようだった。
 練度はいったいどうなっているのか…… 戦慄の命中率、空将パースは震えが止まらなかった。
タグ:日本国召喚
posted by くみちゃん at 22:53| Comment(9) | 小説