2020年11月23日

小話 日本視点接触P1

 実は1巻書籍化の時、出版サイドから日本視点も書いてみてほしいと言われ、書きかけているのがあります。
 クワ・トイネとの接触、会談に向かうまでの話ですが、おそらく採用は無いし、あったとしても商業作品になるときには大幅改良されるので、ブログ限定で公開してみます。
 今日1話、そして(私の仕事の関係上)明後日に2話目を投稿予定とします。
 2話しか書いていません。

 ブログでのみ参考公開します。
 では、以下話となります
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西暦201x年11月10日午後11時59分 東京

 深夜時間であっても町は眠らず、美しい光を世に放ち続ける。
人々は、一週間働いた疲れを吹き飛ばそうとするかの如く金曜日の夜に踏み出す。ある者は酒に酔い、バカ騒ぎをし、そしてまたある者は家でテレビを眺め、そしてある者はパーソナルコンピュータにより、インターネットで交流しゲームを楽しむ者もいる。
人々はいつもと同じように生活を行っていた。

 日本国内閣総理大臣 武田 実成(たけだ みつなり)は、内閣総理大臣という激務を終え、眠りに着こうとしていた。

「今週も忙しかったな……。」

 彼は激務の1週間をベッドの上で振り返る。
 様々な問題を抱えた国際情勢、彼のやり方、考え方1つで国が有利、不利に傾くと思うと、重圧やストレスは相当なものとなった。
 彼は目を閉じる。
 やっと疲れを癒す事が出来る………。

 急に外が明るくなる。彼は、何事かと外を見た。

「な……何だ?」

 空が急に明るくなり、太陽が出ていないにも関わらず青空が見える。
 
「何故、突然昼になった?」

 彼は、夢を見ているのかと錯覚する。
 10秒ほどの青空の後、空は一瞬で夜となり、通常の東京の空へと戻る。

「………疲れているようだ。」
 
 彼がベッドに戻ろうとした時、携帯電話からアラームが鳴り響く。
 東日本大震災の時に、何度も聞きなれた音だった……。

「緊急地震速報!!!」

 武田は付近に落下物が無いか見渡す。一時して震度4程度の地震が彼を襲った。

◆◆◆

 気象庁

「な……何だ!!これは!!!!」

 通常地震は1点から起きるが、彼の前にあるパソコンに写る地震を可視化したシステムには、日本を囲むように6箇所もの震源が出現していた。
 コンピュータにより推定されたマグニチュードは6点全てが12、震度4程度の地震波が、減衰することなく、内陸に向かって駆け抜けている。通常では決して考えられない現象を前に、気象庁職員は唖然とする。
 
「ま……マグニチュード12!?」

 マグニチュードは、対数表グラフを使っているため、2上がるとエネルギーが1000倍になる。
 12という数値は、観測史上の最大エネルギーを遥かに超え、地球上で想定される最大エネルギーを遥かに超えるものだった。

「震源はどこだ!!」

 血相を変え、彼の上司が部屋に飛び込んで来た後、画面を見る。

「これは……そんなバカな!!!」

 あまりにも大きいマグニチュードに対して、震度4という規模の小さい地震、しかし、その震度は内陸へ向かうが減衰する気配が無い。
 前例の無いこの事態に、職員は唖然とする。

「気象衛星と通信が出来ません!!衛星をロスト!!!」

「通信機器の故障?こんな時に!!」

 気象庁職員は、前例の無い現象に、記者発表の準備に追われる。



 
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posted by くみちゃん at 10:34| Comment(15) | 小説

2020年11月15日

第109話ヒノマワリ王国P6

◆◆◆
 
 ヒノマワリ王国領 バルクルス 仮設基地第3会議室 

 航空自衛隊国岳と、陸上自衛隊の大内田は会議室のドアを開けた。
 並べられた長机と、日本から輸入されたパイプ椅子に、異国の装束を着た者3名が座る。 3人とも顔の整った女性でありきれいな黒髪。
 日本人がコスプレをしているようにも見える。

 会議進行役の男によって、導かれるままに席に座る。

 後にヒノマワリ王国の歴史書に記される事となる重要な会議が始まった。


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posted by くみちゃん at 19:42| Comment(3236) | 小説

第109話ヒノマワリ王国P5

◆◆◆

 航空自衛隊幹部国岳と、陸上自衛隊の大内田は昼休みに入り、休憩室へ向かう。

「大内田殿!!大内田殿!!!」

 休憩室近くの廊下前で、ムーの現場指揮官ミックが話しかけてきた。

「先ほどは失礼しました。事前資料では、日本は夜間精密爆撃可能と記載があったのですが、どうしても信じられなくて、資料が間違っていてはいけないと思い、確認しました」

 急に敬語を使い始めるミックに大内田は違和感を覚えるが、国際的な軍事会合の場ではムー国としての立場もあるのだろうと理解する。

「いえいえ、軍事は確認に確認を重ねる必要がありますので、ミック殿の問いは当然の事かと」

「正直、ヒノマワリ解放は本来ムーが行うべき案件であると理解はしています。
 しかし、我らが行うと必ず民衆に多大な被害が出るのです。
 何百通りシミュレーションしても、やはり多大な被害が出てしまうのです。
 被害想定を軍本部に提出したのですが、難色を示されました。
 これは建物が王城に近すぎる事と、昼間は王国の民が働いている事が原因でした。
 またも日本国へ頼ることになって、お恥ずかしい。
 主要軍事施設破壊後は、当然我らで制圧いたします」

 ミックは頭を下げた。
 彼は続ける。

「ヒノマワリ王国は、元いた星の、ヤムート人の末裔です。
 ヤムートの民とは友好関係を持っていたため、レイフォルに実行支配されていた時も、我が国と彼等は友好関係にありました。
 元いた世界の民とあってムー国民にとっても思い入れの強い人々です。
 そういえば、日本は昔ヤムートだったという、テレビ特集も見ました」
 
「ほう……一度遺伝子解析もしてみたいものですね」

「遺伝子解析??」

 ミックには意味が解らない。
 彼は本題に入る。

「ところで、お伝えしたいことがあります。
 先ほど部下から報告があったのですが、ヒノマワリ王国の王女フレイアという者が、亡命して来ました。
 夜通し馬で走ってきたようです」

「ほう?」

 ムー国にお願いしたヒノマワリ王国の要望が取れそうで、ほっとする。

「彼女らは酷く汚れておりまして、今湯浴みをしていますが、すぐにでもムー国及び日本国の方と会いたいとの申し出がありました」

「しかし、夜通し走ってきたなら相当な寝不足ではないのでしょうか?」

「目の下にクマはできていましたが、寝不足など言ってはおれぬ事態が生じたのでしょう」

「うーん、会うのは良いのですが、私はあくまで自衛官です。
 外交官ではありませんので、本省に問い合わせないと……」

「解りました。
 ムー国は14時からヒノマワリ王国フレイア王女と協議を行いますので、日本国も参加するのであれば、第3会議室に来て下さい」


 大内田が後刻、本省に問い合わせたところ、『何の事かが解らないので、まずは話しを聞いてみてくれ』
 との回答であった。 

 国と国とに関わること、外交官不在の中で自分が会うと言うことは、とんでもない量の書類の作成がふりかかるという意味である。
 相当重要な仕事であり、かつ現在部下達は本来業務で負担があまりにも大きい状況にあるため、丸投げも出来ない。
 ただでさえ、戦闘準備に忙しいこの状況下において、外務省に渡されるであろう公文書(外交文書ではない)を作る事が確定してしまった。

「とにかく少しでも休みがほしいな……」

 連日働きどおしの大内田、脳内には月月火水木金金の音楽が再生される。
 食事の後、がっかりした顔で、彼は第3会議室へ向かうのだった。
 

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posted by くみちゃん at 19:41| Comment(25) | 小説