次にくるマンガ大賞のWebマンガ部門に日本国召喚がノミネートされました。
本当にありがとうございます
7月2日(金)11時00分までが大賞を決める投票受付期間となります。
担当直入ですが、応援をお願いします!!
周りの作品が強すぎるので、その1票が本当に大切なのです。
1票を日本国召喚に入れていただければ嬉しく思います!!
-------------------------------------
レイフォル西側沖合約300km付近海上
晴れ渡った空、太陽は今日も東から上り、僅かに波打つ海が光を反射して輝く。
海の魚達はゆっくりと泳ぎ、海鳥たちはのんびりと浮かんでいた。
そんな平和な海上に、水を裂き、白く海面を泡立たせながら緊張を走らせる者達が列を組んで進む。
グラ・バルカス帝国レイフォル防衛艦隊 旗艦 戦艦マルゼランは東へ向かっていた。 マルゼランの艦橋で、レイフォル防衛艦隊司令長官アンダールは東を睨む。
「まだ、何があったのか判明しないのか?」
横に立つ参謀シビエにアンダールは問うた。
先刻から、レイフォル統合基地ラルス・フィルマイナからヒノマワリ王国と連絡が取れなくなっている。
敵攻撃の可能性有りとの無線を最後に音信不通となり、さらにレーダーは使用不能となったため、先ほど偵察機を飛ばした。
参謀は言葉を選んで報告する。
「現時点、不定期で起きる磁気嵐が原因か、もしくは人為的なものなのかは判明しておりません。
日本軍は電子技術において優位性を持っているようで、彼等の攻撃の前にはレーダーが使用不能となる現象が報告されています。
何らかの干渉を行っていると思われ、攻撃の可能性は捨てきれません。
現在直掩を増やして空からの侵攻を警戒しております。
先の海戦の大敗は、レーダーによって目が奪われ、相手の位置も解らずに一方的に殴られたものによります。
よって、目の特に良い者を直掩には選抜しております」
「日本軍め、我が艦隊を先の遠征艦隊を同じと思うなよ」
司令長官アンダールは辺りを見回す。
圧倒的存在感と機能美、そして強さを誇る戦艦マルゼランを始め、
ヘルクレス級戦艦(長門型に酷似)ラス・セレナール
オリオン級戦艦(金剛型に酷似)ガーネットスター
ペガサス級航空母艦 リュウセイ
ドルラゴ
他、強力な艦隊が進む。
海中にはシータス級潜水艦隊27隻が潜んでいる。
圧倒的な機能美と力強さを誇る戦艦群。
エリートをかき集めた艦隊の練度は間違いなくグラ・バルカス帝国本国艦隊よりも上だろう。
さらに、レイフォルが最前線となると判断したグラ・バルカス帝国は、新鋭機であるアンタレス型戦闘機改をも同艦隊に優先配備していた。
アンタレス型戦闘機改の性能は驚愕に値するもので、本国で行われた模擬空戦では、熟練パイロットがアンタレス型戦闘機に乗り、中程度の練度を持つ者がアンタレス型戦闘機改に乗り、機の特性を生かして戦った。
結果はアンタレス型戦闘機改が圧勝し、不敬な乗務員が
「赤子の手をひねるかのごとし」
と発した言葉に熟練パイロットが激怒したという逸話を残す。
この逸話は軍幹部のアンタレス型戦闘機改に対する信頼を深めていった。
アンタレス型戦闘機改
形が似ているため改と称したが、設計は1から成されており、全く別の戦闘機と言える。 防弾装備はもちろんの事、エンジン出力のさらなる向上で高度5000mで時速660kmを記録。
従来のアンタレス型戦闘機よりも大幅に速度性能がアップしてた。
司令長官アンダールもまた、優秀な軍人であったが、先の派遣艦隊の壊滅は圧倒的技術差によるものではなく、練度と運用に問題があったと考えていた。
また、帝国軍部では先の派遣艦隊の多くは日本軍の戦闘機を見る前に撃沈されていたため、大敗は誘導弾によるものであると判断されていた。
戦闘機の圧倒的性能差の目撃例は少なく、未だ戦場伝説ではないかとの見方も軍部内に根強く残っている。
冷静な分析に基づけば見えるものが見えなくなる。
古き人間は生き方を変えることは出来ない。
大敗という状況下であっても、どうしても受け入れられないものがあった。
「うむ、先手を打つか。
ラルス・フィルマイナからの連絡が途絶えている。
偵察機の帰還を待つこと無く、日本軍による攻撃が行われている事を想定し、これより戦闘機群による制空権確保を行う。
直掩戦闘機以外の戦闘機部隊は直ちに発艦し、レイフォリア空域に向かえ!!!」
「直掩戦闘機は艦隊直上ではなく、旗艦から東に50km付近で警戒にあたれ」
「また、敵誘導弾発射の爆撃機を迎撃する必要があるため、直掩のうち半分は東側150kmまで警戒範囲を広げろ」
「はっ!!!」
命令は正確に伝達された。
空に舞う戦闘機は編隊を組んで東へ向かい、空母は風上に向かって全力疾走を開始した。
迅速に発艦準備を整えた彼等は自信をもって東へ飛び立つのだった。