2021年07月07日

第115話反撃の異世界軍4P2

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 ムー大陸北側 神聖ミリシアル帝国 混成魔導艦隊デス・バール
 旗艦 オリハルコン級戦艦コスモ

 先進的かつ圧倒的な機能美が海上を優雅に走る。
 ミスリル級魔導戦艦よりも一回り大きいその艦の周りは張り巡らされた魔力によって微かに光輝いていた。
 戦艦コスモの艦橋において、艦隊司令タキオンは海を見る。
 横には艦長イレイザ、そして飛行隊長ビルクが立つ。

「間もなく日本国護衛艦と合流します」

「ほう……あれが……なかなかの艦隊だな」

「ムー国北側の港に一時停泊していたようですね。
 命令後すぐに合流できるとは思いませんでした」

「あれが噂の日本国護衛艦隊か……あの大きさで噂通りの強さを発揮するとは、とても信じられん。
 我が方も負けてはおれぬな」

 艦隊司令タキオンの言葉に、艦長イレイザが反応した。

「日本の艦隊が噂通りの強さであれば、他の艦艇ではついて行けぬ戦いとなりましょう。
 ただし、この魔帝の技術を多く使用したオリハルコン級魔導戦艦コスモだけは、彼等の艦よりも遙か上の性能を持つ。
 我が艦は今までの戦艦とは強さの次元が違います」

 艦長イレイザは艦隊司令タキオンに言い放つ。
 絶対の自信から来る言動だった。

「しかし10隻か、日本軍の艦艇保有量からすると、多いな」

「それほど彼等も本作戦に力を入れているのでしょう」

 艦隊司令タキオンは、日本国がレイフォル沖合までの護衛として10隻もの艦隊を送り込んできた事に驚く。
 
 神聖ミリシアル帝国艦隊をレイフォル沖合まで無事に送り届けるため、ムー国北側に展開していた日本国海上自衛隊第1護衛隊群
 ○ 第1護衛隊 いずも、まや、むらさめ、いかづち
 ○ 第5護衛隊 こんごう、あけぼの、ありあけ、あきづき
 及び
   掃海母艦うらが、補給艦ましゅう

 の計10隻は神聖ミリシアル帝国と合流した。
 レーダーであらかじめムー海域に神聖ミリシアル帝国艦隊を確認していたため予想はしていたが、要請後すぐにムー大陸北での合流となったため、政府の想定よりは遙かに早く、日本側も準備を急ぐ事となった。

 ムー大陸北側海域で合流した神聖ミリシアル帝国海軍 混成魔導艦隊デス・バールと、日本国海上自衛隊 第1護衛隊群他2隻の艦隊は、レイフォリア沖合に向かい、西に進む。
タグ:日本国召喚
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第115話 反撃の異世界軍4

神聖ミリシアル帝国 帝都ルーンポリス 皇城アルビオン

 国防長官アグラは皇帝ミリシアルに説明を始めた。

「先ほどの件を詳しく申し上げます。
 第2文明圏連合軍はヒノマワリ王国を奪還、レイフォル国内のグラ・バルカス帝国軍事基地及び駐屯地、工場に空爆を実施し、大半の航空戦力を地上で撃破しました。
 また、レイフォル西側海域において、グラ・バルカス帝国の空母機動部隊を撃滅しました。
 ここにおいて、実質的にムー大陸上空の制空権の確保したと、日本国から連絡がありました」

 神聖ミリシアル帝国同じ事を成そうとした場合、国力を最大限に投入し、多くの犠牲を出さなければ不可能な大戦果だった。
 皇帝ミリシアルはゆっくりと問う。

「明らかに第2文明圏の力を超えておるな、被害は?」

「現時点では明らかになっておりません」

「日本国が主体となったのだな」
「間違いなく。相変わらず彼等は戦果の主張はしませんが……」

 皇帝ミリシアルは笑う。

「フ……相変わらず強い。して、日本国は何と?」

「はっ、『作戦は次の段階に移行した。我が国にレイフォル周辺海域の封鎖をお願いしたい』と、丁寧な文で打診してきました」

 レイフォルの制空権は実質的に確保出来たのだろう。
 しかし制空権だけでは陸軍は降伏しない。彼等をあからさまに弱らせるには、補給を絶つ。つまり、空爆によって軍事施設を徹底的に破壊し、グラ・バルカス帝国本国からの補給路を完全に絶つ。
 そのためには、海上封鎖は有効な手段であった。

「しかし、まだイルネティア周辺にも敵海軍はおろう。
 そこは我が国に任せたいと言うことか?」

 神聖ミリシアル帝国に頼りたい部分も多くあるのかと考えた皇帝ミリシアルは、強力な艦隊派遣を想定する。

「レイフォル沖合での制空権の確保は日本国において実施すると……。
 艦隊についても上空支援を行い、実質的に敵を無力化する事は可能だそうです
 我が神聖ミリシアル帝国には海上封鎖のみをお願いしたいとの事であり、事務レベルで確認したところ、どうも我が国の負担を減らそうと動いたようです」

「フフフ、軍事において気を遣われるとはな、我が国も軽く見られたものよ」

「艦隊派遣の連絡があった際、日本国へは出撃準備中と伝えております」

「もちろん他の手は打ってあるんだろうな?」

「はっ!!我が神聖ミリシアル帝国も迅速に対応できるという事を世界に見せつける必要があります。
 当初は日本国の強さを疑っていたため、前回は全滅を前提として、雑兵の寄せ集めを検討しておりましたが、現実に日本国の強さが判明し、帝国に対する優位性も現実的になって参りました。
 わが軍も、グラ・バルカス帝国に対して優位に戦いを進める事が出来る最高練度の混成艦隊を、すでにムー大陸北付近で待機させております!!
 日本から要請が在り次第、すぐに動けます」
 
 アグラは続ける。

「規模については、陸戦のため長期間の運用を想定し、艦の交代も必要であるため、大規模艦隊の派遣は現実的ではありません。
 さらにイルネティア島周辺にグラ・バルカス帝国空母機動部隊がまだ健在であるため、我が方も航空戦力が必要となります。
 日本に任せっきり……と言う訳にはいきません。
 よって、魔導戦艦3、重巡洋装甲艦4、魔砲船6、小型艦5、空母2、補給艦3の計23隻をもって、ムー大陸レイフォル国首都、レイフォリア沖合に展開いたします」

「そうか、解った。
 ……今回の派遣はグラ・バルカス帝国にとって大打撃となる重要な派遣だ。
 後の歴史書にも記される事は間違いない。
 艦隊の名は付けておろうな?」

「はっ!!艦隊の名は 混成魔導艦隊デス・バール にございます。
 艦隊デス・バールはムー大陸北において、日本国の護衛艦及び掃海艦と合流し、レイフォリアに向かう事となります。
 国の威信がかかっておりますが故、今回の派遣艦隊の旗艦には、先日実戦配備された最新鋭戦艦を旗艦とします」

「ほう?あの魔帝の技術を多用した戦艦か、これは頼もしい」

「はっ!!「オリハルコン級魔導戦艦コスモ」を旗艦といたしますので、仮にグラ・バルカス帝国空母機動部隊が来たとしても必ず撃退いたします!!
 戦艦コスモは今までの我が国の艦艇とは次元の異なる強さを発揮します。
 来たるべき古の魔法帝国戦に対しても十分通用すると確信しております。
 今回の戦いで出番があれば良いのですが」

 国防長官アグラ、軍務大臣シュミールパオは今度こそ帝国の威信を示せると、絶対の自信を見せた。

 オリハルコン級魔導戦艦コスモ
 その船体はミスリル級戦艦よりも2周り大きい。

 対魔性装甲材をふんだんに使用し、重要区画にはさらに強力なオリハルコン合金を使用、重要区画装甲はグラ・バルカス帝国最大最強の戦艦・グレードアトラスター級の主砲、46cm物理砲弾の直撃に耐えるほどの装甲を持つ。
 魔導機関の出力強化により、装甲強化シークセンスもミスリル級の約18秒から7秒に大幅短縮されていた。

 主砲(魔導砲)の威力も上がっているが、特筆すべきは対艦及び対空兵装である。
 神聖ミリシアル帝国は、魔帝式誘導魔光弾の研究及び、日本国の技術や運用をヒントに誘導魔光弾の類似製品を作り出せるレベルに達していた。

 ただし、現在の帝国技術水準だとコストがかかりすぎるため、いかに神聖ミリシアル帝国とはいえ、量産には手間取っていた。

 誘導魔光弾はエネルギー弾ではなく、物理的なコアが必要で有り、同コアに飛翔魔力と爆裂魔法をためる必要がある。
 コアにはこの世界では珍しいレアメタルを使用しているため、どうしても金がかかる。
 戦艦コスモには、ウルティマT型艦対艦誘導魔光弾、そしてクウ・ウルティマT型艦対空誘導魔光弾が登載される。
 
 帝国は新鋭艦を自信をもって送り出すのだった。

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