ムー大陸第2文明圏 旧レイフォル 首都レイフォリア 沖合
沖合に展開する艦隊群。
中央世界の世界最強たる国家、神聖ミリシアル帝国最新鋭戦艦を含む魔導艦隊と、東の最果てにあり、強烈な技術力を持つムーを超える機械文明国家。日本国海上自衛隊護衛隊群の出現は、レイフォリアの住民に大きな希望を与えた。
神聖ミリシアル帝国艦隊は、大口径魔導砲でムー侵攻の本拠地、ラルス・フィルマイナを焼き払う準備を進める。
旗艦たるオリハルコン級戦艦コスモの艦橋で、艦隊司令タキオンと艦長イレイザは話しをしていた。
艦橋には魔力を凝縮する音が微かに響く。
「ついに、この時が来ましたね」
「このミリシアルの顔に泥を塗った代償を払わせてやろう。
これから撃つ主砲は歴史に残る一撃、神聖ミリシアル帝国が異界の悪魔を葬り去った最初の一撃として歴史書に刻まれるだろう。
その仕事にこのコスモは最良の艦だ」
「はっ!!」
『魔導砲、エネルギー充塡100%……爆縮回路準備完了』
『目標をグラ・バルカス帝国レイフォル統合基地ラルス・フィルマイナに設定』
オリハルコン級魔導戦艦コスモに設置された旋回砲塔がゆっくりと回転を始める。
旗艦のみではなく、他の神聖ミリシアル帝国艦の主砲も同時に旋回し、敵の基地へと狙いを定めた。
最新鋭の演算装置が主砲の出力、目標との距離、風速、気圧から着弾地点へ適正に投射出来るかを計算する。
『仰角補正、+2度、主砲発射準備完了!!』
発射の準備が整う。
イレイザは艦隊司令タキオンを見る。
「3分経ったな」
「はい」
「殲滅せよ」
「はっ!!」
艦長は、前を向く。
「目標、グラ・バルカス帝国統合基地ラルス・フィルマイナ……これより、我らに逆らった異界の蛮族どもに神罰を下す!!
ミリシアルの怒りを思い知らせ!!
徹底的に破壊しろ!!
主砲、発射!!!」
先進的艦影を持つ戦艦コスモの砲塔先からエネルギーが漏れ出し、微かに青く輝く。
付近の粒子が魔導力に反応して可視化され、光り輝く小さな粒子が砲塔に吸い込まれていくようにも見える。
次の瞬間、高音と共に主砲が発射された。
コスモ型魔導戦艦の主砲は物理的コアも発射するため、その反動で微かに巨体の戦艦が傾く。
三連装3門、計9門の主砲から発射された主砲弾。
青色の光の尾を引き、主砲弾が空を駆けるのがはっきりと見える。
他の神聖ミリシアル帝国艦隊も続いて砲撃を開始し、多くの光りがレイフォリアに向かって飛翔していった。
グラ・バルカス帝国にとって……絶望の宴が始まる。
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