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日本国 海上自衛隊第1護衛隊群 第5護衛隊 イージスシステム艦こんごう
グラ・バルカス帝国潜水艦隊を探知していた第5護衛隊。
イージス艦 こんごう は、垂直発射式のアスロックで敵潜水艦2隻を葬った。
敵の欺瞞装置(デコイ)の性能が良く解っていなかったため、まずは単発で撃ったが、惑わされること無く魚雷は命中する。
「敵には申し訳ないが、一気に終わらせるぞ」
艦長日高は、敵をすべて撃沈することを決意した。
「敵10隻、魚雷を連続発射しましたっ!!数20……射線がずれています。
無誘導魚雷、5km左方を通過予定」
魚雷発射に一瞬艦橋が緊張したが、無誘導で当たらないなら何の脅威も無い。
「ん?敵デコイを連続射出!!水中音響乱れます!!
敵は全艦反転を開始しました」
「……逃げるつもりですね」
「判断の早い指揮官だな。
逃がすと友軍や、民間船が犠牲になる……か。
申し訳ないが、降伏していない限り攻撃の手を緩める訳にはいかない!!!」
この攻撃指示で、100人以上の敵が死ぬだろう。
しかし、これを逃がすと民間人や友軍が殺される。現に、ムー沖合では敵潜水艦に民間の自動車運搬船が攻撃を受け、民間人が機銃掃射を受けたこともある。
非情な決断だが、自衛官として逃がすという選択肢は無い。
日高は心の中でこれから死ぬ者達のために黙祷した。
「アスロック発射用意!!すべての敵潜水艦を撃沈せよ!!」
「はっ!!目標敵潜水艦隊!!」
イージス艦こんごうに登載されたMK41垂直発射システムからミサイルのような物体が連続して射出される。
炎を噴く飛翔体は、こんごう前方海域に向かい、パラシュートを展開、海中にゆっくりと魚雷を投射した。
次から次へと海中に投下される魚雷は、グラ・バルカス帝国潜水艦隊を地獄へ導く。
posted by くみちゃん at 14:34|
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