2022年04月28日

第127話初めての新世界P2

◆◆◆

「乗り継ぎで申し訳ないのですが、あちらの飛行機に乗り換えをお願いします」

 クイラ王国に設置してある日本国が運用、管理する飛行場において、ヘリコプターから飛行機に乗り換える。
 エプロンには日本国政府がチャーターしたジェット旅客機、B-787があった。

「ほう?少しは大きい飛空艦があるじゃないか。
 しかし、武器を積むスペースが無いな」

 魔戦騎士団長アバドンは横に立つ飛空艦隊長シエドロンに話しかける。

「大きな翼がありますな。
 まるで鳥のようだ。
 魔素拡散器が見当たらない、本当に未知の文明だ」

「しかし威厳の無い形だ、戦になれば、あっさりと勝ちそうだな」

 二人のやりとりを聞いていた魔法技師テタルは話しに割って入る。

「アバドン様、シエドロン様、お話中のところ申し訳ないけど、あれ……たぶん途轍もなく速いです」

 テタルは国と国の対立に興味は無く、技術にのみ興味を持つ。
 純粋に技術的視点からB787を眺めた時、あまりの線形美にため息が出た。
 凄まじい性能を誇る機械は美しくなる。
 
 圧倒的な大きさ、流れるような流線型、空気圧縮放射で飛ぶなら、あの翼に2つ付いているのがエンジンだろう。
 たったあれだけの大きさであれほどの大きい機体を、魔力を使わず空に浮かべるなど、とんでもない出力だ。
 我が国の技術を遙かに上回る物が目の前にあるという事は疑いようが無く、感動さえも覚えるこの状況下において、軍人達は自分たちの国が上だとのたまっている。

 滑稽であり、日本人に聞かれたらたまらなく恥ずかしい発言。
 
 そのような思いから、テタルは軍人達の会話に割って入ったのであった。


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posted by くみちゃん at 23:13| Comment(6) | 小説

第127話初めての新世界P1

練兵場において、ミラは整列して朝田達案内人に挨拶する。
 今回のクルセイリース聖王国は、調査団長ミラをはじめとして
○ 生活調査員(仮)ニース(聖王女)
○ 飛空艦隊長 シエドロン
○ 第二魔戦騎士団長 アバドン
○ 魔法武具士 アニーナ
○ 魔法技師  テタル
○ 国政経済学者 イルサ
○ 銃神 ダルサイノ
 他1名から成る。
 各々がその道のプロであり、日本国の国力を測るための強力な布陣だとミラは考えていた。

「これより、こちら……CH47ヘリコプターに乗って頂き、北西のロデニウス大陸にあるクイラ王国を目指します。
 そこから機体を換え、日本国の首都、東京へお連れいたします」

 朝田がヘリコプターへと誘導する。

「ふん、何とも小さい飛空艦だ。こんな小さいのしか無いのか」

 アバドンが吐き捨てる。
 おそらく日本人にも聞こえる大きさの声であったため、ミラは焦る。
 失礼な言ではあるが、確かに小さいので、他のクルセイリースの者達はうなずいた。

 ただ一人を除いて……。

 甲高い音と共にヘリコプターが離陸した。

 聖王女ニースは日本人に聞こえないようミラの耳元で話す。

「アバドンさんの言うことはごもっともです。
 今のところ、我が方の技術が遙かに上だと感じます。
 日本国についてはそこまで警戒する必要は無いのかも知れませんね。
 しかし、弱小国といえども、むやみやたらに蹂躙するのではなく、平和的に物事を進めるべきですが」

「私は……日本国大使館に出向いたときに高い技術によって作られた物を多く見ました。 姫様、先入観を持たないようにお願いします」

「ええ、そうでしたね、おや??」

 ニースは魔法技師テタルを向く。

「テタルさん、どうしました?顔色が優れませんが」
 乗り物酔いでもしましたか?」

「い、いえ……ニースさんでしたね?
 これを見て下さい」

 テタルは魔力測定器を持っていた。
 針に動きが無い。

「魔力が……この飛行物体は魔力が計測出来ないのです!!!
 でも私が魔力を込めると測定器が反応するので故障ではありません」

「まあ……他の文明って面白いですね」

「そんな、そんなレベルの話しでは無いのです!
 魔力を使用せずに飛ぶとすると、空気を押し出して飛んでいる事になります。
 この大きさを飛ばすとなると、とんでもない出力が必要なのです!!」

「と、なると我が国の魔導機の出力はもっとすごいということですね」

「そういう話しではありません。
 飛空艦が時速にして200km後半の速度しか出ないのは、飛行方式の限界なのです。
 よって小型化しても速度が上がらない。
 理論上上げようが無い。
 しかし、日本のこれが空気を押し出して飛んでいるとすれば、理論上のスピード限界は遙かに上なのです」

「もっと速い飛空艦が日本にはあると?」

「可能性ではなく、間違いなくあると私は思います」

 魔法技師テタルは、日本国の兵器の理論限界に戦慄した。
 やがてヘリコプターはシルカーク王国群島での給油を経てクイラ王国の飛行場に到着するのであった。


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posted by くみちゃん at 23:12| Comment(17) | 小説

2022年04月22日

第126話未開の大文明3P4

◆◆◆

 クルセイリース大聖王国 メステル型飛空艦 サラマンカ

「間もなくシルカーク王国王都タカクへ着陸いたします」

 機内にアナウンスが流れる。

「ニース様、本当に行かれるおつもりか」

 ミラは頭を抱える。

「もちろんですよ。あ、今日の私は王女ではなく、貴方の部下のニースです。
 呼び捨てにしてもらってかまいません」

 聖王女ニースより推薦した1名は、すでに飛空艦に乗り込んでいると聞いていたため、その他の人員でミラ達は出発した。
 しかし、調査団の王女推薦の者と対面したミラは推薦された者が王女本人であると聞き、頭を抱える。

「私が勝手に国外に行くことに驚いているのでしょう?
 大丈夫、バレませんよ。
 手は打っています。
 この変装もすてきでしょ?
 他の調査団の方々も気付いてないようですよ」

「バレるに決まっているでしょう!!どういった手をとったのですか?」

「秘密です」

 ニコニコと笑う聖王女ニース

 様々な不安を抱える中、ミラ達は下船の準備を進めるのだった。

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 先日ポメラが壊れて、困り果て、ネットで注文しました。
 今日から新品になりました(^^♪
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posted by くみちゃん at 01:10| Comment(2000) | 小説