カルクは、横暴なカムーラを睨み付けて話す。
「私からもお伝えしておこう。
我がシルカーク王国は、日本国と国交を結び、友好関係にある国家である。
もしも我が国を攻撃すれば、我が国内にいる日本国民にも被害が出るだろう。
日本国を著しく刺激する事になることを忘れるな!!」
「日本国?何だそれは。
お前たちの宗主国でもすでにいるのか?
お前たちの国家群の上位共同体として、文明圏というのがある事はすでに調査がついている。
その中でも列強と呼ばれし国、パーパルディア皇国だったか?
そこが相当な領域を支配している事も調査済みだ。
最初に絶望を与えておいてやろう。どうしようもない絶望をな……。
お前たちが列強と恐れるパーパルディア皇国でさえ、我が国の軍事技術をもってすれば、あっさりと敗れ去るだろう」
「日本国の技術レベルはそんな次元を遙かに超越している。
調査不足で日本国を刺激し、敗れ去った国は多々あるのだ!!
あなた方の出した2ヶ月は、自分たちの命が伸びた2ヶ月だと思え!!
あなた方の話しを聞いていると、国内でも意見が割れているようだ。
日本国の調査をいい加減に行う事は、貴国が亡国の道を歩む事と知れ!!」
「ふん!!強がりを!!!
虎の威を借る狐のような国だな。
もっとも、その虎でさえも我が国の敵では無いが。
まあせいぜいあがけ!!」
会談は終了した。
◆◆◆
シルカーク王国 王都タカク 練兵場広場
白髪、白髭を生やした老人が遠い目で練兵場を眺めていた。
「シエドロン様、北方約150kmの地点に飛行物体を確認しました。
付近にも何機かいます」
第1飛空艦隊長シエドロンは部下からの報告を受ける。
「ワイバーンではないのか?」
「いえ、魔力反応がほとんど検出されません。
これは電磁反射式測定装置で捕らえたものです」
「ほう……珍しいな」
飛空艦を飛ばすにしても、相当な魔力が漏れる。
今回の測定結果は、魔力反応がほとんど無い相当に大きな物体が空に浮かんでいる事を示していた。
「新世界の文明との接触は、何と刺激的なのか」
しばらくして外交担当の一団を収容、飛空艦隊は、北方向を飛行している物体の調査を行った後に帰国する事となった。
posted by くみちゃん at 23:12|
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