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シルカーク王国 王都タカク 王軍本部
間もなくクルセイリースから突きつけられた期限、2ヶ月が過ぎようとしていた。
大きな楕円形のテーブルに各軍を指揮する者達が座る。
○ シルカーク王国 竜騎士団 ヒーシル
○ 王都防衛騎士団長 ビセキ
○ パーパルディア皇国ワイバーンオーバーロード竜騎士団長 ハムート
○ 対圏外文明国防衛艦隊司令長官 バイア
○ 120門級戦列艦ジャスティス艦長 ガーラス
○ 日本国 陸上自衛隊シルカーク派遣混成団長 大内田
○ 海上自衛隊第4護衛隊群 海将補 平田
○ 主席幕僚 新原
今後の東方世界を守護する者達の会合に、シルカーク王国も気合いが入る。
「ヒーシル殿、あれが日本の方々か」
自国やパーパルディア皇国の将達と比べると、日本国の将が着る服は酷く貧相に見えた。
「はっ!!ビセキ様、あれが噂に聞く凄まじい強さを持つとされる日本軍の将にございます。
私も見るのは初めてではございますが。
ビセキ様、見た目はあんなに貧相な格好をしておりますが、伝え聞く力は本物です。
決して失礼の無いよう、お願い致します」
「わ……解っている!」
会議が始まる。
パーパルディア皇国のハムートが自衛隊員に向かって話し始める。
「日本国の方々、シルカーク王国は現在急ピッチで飛行場整備を開始しているが、貴国の戦闘機運用レベルまでの整備をするには時間がかかると聞いている。
それまでは、我がパーパルディア皇国ワイバーンオーバーロード竜騎士団及びワイバーンロード竜騎士団が、シルカーク王国の空を守ることになる。
日本国、シルカーク王国共に異論はありませんな?」
シルカーク王国は、今まで国策として飛行場の整備を禁止してきたが、国家存亡の危機となり、急遽飛行場設置に舵を切ったという経緯がある。
しかし、急にジェット機の離発着可能な空港が整備される訳も無く、当面空の戦力は、陸上自衛隊の攻撃ヘリと、各国のワイバーンに頼らざるを得ない状況であった。
「当面シルカークの竜舎は使わせてもらう。
シルカーク王国軍に異論はありませんな?」
ヒーシルの顔が曇る。
しかし、自国のワイバーンに比べると、パーパルディア皇国のワイバーンロードは圧倒的な力を持ち、ワイバーンオーバーロードにあっては異次元の強さを持つ。
言い方は癇に障るが、合理的意見のため、腹立たしさを感じながらも彼は納得するのであった。
日本国にあっても、敵味方識別装置を持たない者が戦場を飛び回る事は非常に困るが、空自のエアカバーが現時点空中給油機による暫定的なものしか得られない以上納得せざるを得ない。
陸自の派遣部隊では、広大な面積をカバーできる能力は確かに無かったため、陸自も納得する。
「次に海軍の配置だが……我がパーパルディア皇国対圏外文明国防衛艦隊は、日本国艦隊と共に行動し、竜母によるエアカバーを提供しよう。
貴国には未だ艦隊から航空戦力を出す方法をお持ちでは無いようだからな」
艦隊司令バイアは海上自衛隊を少し挑発した。
posted by くみちゃん at 22:33|
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