2022年05月22日

第130話世界の防衛線P4


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 クルセイリース大聖王国 聖都セイダー テンジー城

 聖王ジュウジの急死により、一時的に実権を握る事となった聖王子ヤリスラを中心として、国の行く末を決める重要な会議が行われる。

「これより、北西新世界開拓に関する会議を開催します」

 歴史は進む


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posted by くみちゃん at 22:37| Comment(1728) | 小説

第130話世界の防衛戦P3


 海上自衛隊第4護衛隊群 海将補 平田 はゆっくりと話し始める。

「失礼ですが、パーパルディア皇国の艦は我が艦隊の動きに付いてくる事が出来ません。 また、敵味方識別装置を持たない者が空を飛ぶと、見方を誤射してしまう可能性があります。
 これは軍事的常識の違いがあるのでご説明しますが、我々の艦隊の対空戦闘において、目視出来る距離というのはすでに2重の防衛網を突破された後の、超至近距離という扱いになります。
 防衛区域を区切った方がお互いの為になるかと」

「ぐっ!!」

 パーパルディア皇国のバイアは沈黙し、シルカーク王国の面々は驚愕する。
 日本国の将の発言、これはシルカーク王国海軍の強さを遙かに凌ぐ、パーパルディア皇国海軍に対し、

(お前たちは弱すぎて、足手まといになるから付いてくるな)

 と言っているに等しい。

 パーパルディア皇国としても、日本国艦隊は研究対象であり、情報収集を行っているため強いことは理解している。

 しかし、どうしても自国の軍事基準をもって考えているため、いまいち強さがどの程度なのかが掴めない。
 未だ、日本国の艦隊をリンクするシステム等は理解の範疇を超えており、意味が解らず、説明してくれる人も当然いない。

 基本的技術力が圧倒的に異なり、瞬間的に多くの情報伝達システムの無い世界では、どうしても相手の強さが的確に読めない部分が多かった。


 先の大戦において、日本国海上自衛隊に対して手も足も出ずに敗退している。
 そしてあの異界の超帝国、グラ・バルカス帝国の圧倒的航空戦力と艦隊でさえ、日本国艦を前に壊滅している。
 この会議の場において、日本国の言はどの国家よりも発言力、そして説得力があった。
 議論が重ねられた結果
1 シルカーク王国王都タカクの防衛は、空はパーパルディア皇国ワイバーンオーバーロ ード竜騎士団部隊を基本とし、陸はシルカーク王国騎士団を主体として陸上自衛隊が支 援を行う。
2 日本国海上自衛隊はタカク南東方向約150km付近のシルカーク王国ヒシー島付近 海域に展開、パーパルディア皇国竜母艦隊は同島東側さらに150km海域に展開する。  パーパルディア皇国は指定された周辺海域のみとし、機動力の勝る日本国艦隊は流動 的運用を行う。
3 ジェット機が運用可能な飛行場が建設された場合は、同担当区における再協議を行う

 概ねこのような内容となった。
 
 準備は進む。


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posted by くみちゃん at 22:35| Comment(16) | 小説

第130話世界の防衛線P2

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 シルカーク王国 王都タカク 王軍本部

 間もなくクルセイリースから突きつけられた期限、2ヶ月が過ぎようとしていた。

 大きな楕円形のテーブルに各軍を指揮する者達が座る。
○ シルカーク王国 竜騎士団     ヒーシル
○         王都防衛騎士団長 ビセキ
○ パーパルディア皇国ワイバーンオーバーロード竜騎士団長 ハムート
○          対圏外文明国防衛艦隊司令長官    バイア
○          120門級戦列艦ジャスティス艦長    ガーラス
○ 日本国 陸上自衛隊シルカーク派遣混成団長  大内田
○     海上自衛隊第4護衛隊群 海将補   平田
○                 主席幕僚  新原

 今後の東方世界を守護する者達の会合に、シルカーク王国も気合いが入る。

「ヒーシル殿、あれが日本の方々か」

 自国やパーパルディア皇国の将達と比べると、日本国の将が着る服は酷く貧相に見えた。
「はっ!!ビセキ様、あれが噂に聞く凄まじい強さを持つとされる日本軍の将にございます。
 私も見るのは初めてではございますが。
 ビセキ様、見た目はあんなに貧相な格好をしておりますが、伝え聞く力は本物です。
 決して失礼の無いよう、お願い致します」

「わ……解っている!」

 会議が始まる。

 パーパルディア皇国のハムートが自衛隊員に向かって話し始める。

「日本国の方々、シルカーク王国は現在急ピッチで飛行場整備を開始しているが、貴国の戦闘機運用レベルまでの整備をするには時間がかかると聞いている。
 それまでは、我がパーパルディア皇国ワイバーンオーバーロード竜騎士団及びワイバーンロード竜騎士団が、シルカーク王国の空を守ることになる。
 日本国、シルカーク王国共に異論はありませんな?」

 シルカーク王国は、今まで国策として飛行場の整備を禁止してきたが、国家存亡の危機となり、急遽飛行場設置に舵を切ったという経緯がある。

 しかし、急にジェット機の離発着可能な空港が整備される訳も無く、当面空の戦力は、陸上自衛隊の攻撃ヘリと、各国のワイバーンに頼らざるを得ない状況であった。

「当面シルカークの竜舎は使わせてもらう。
 シルカーク王国軍に異論はありませんな?」

 ヒーシルの顔が曇る。
 しかし、自国のワイバーンに比べると、パーパルディア皇国のワイバーンロードは圧倒的な力を持ち、ワイバーンオーバーロードにあっては異次元の強さを持つ。

 言い方は癇に障るが、合理的意見のため、腹立たしさを感じながらも彼は納得するのであった。

 日本国にあっても、敵味方識別装置を持たない者が戦場を飛び回る事は非常に困るが、空自のエアカバーが現時点空中給油機による暫定的なものしか得られない以上納得せざるを得ない。

 陸自の派遣部隊では、広大な面積をカバーできる能力は確かに無かったため、陸自も納得する。

「次に海軍の配置だが……我がパーパルディア皇国対圏外文明国防衛艦隊は、日本国艦隊と共に行動し、竜母によるエアカバーを提供しよう。
 貴国には未だ艦隊から航空戦力を出す方法をお持ちでは無いようだからな」

 艦隊司令バイアは海上自衛隊を少し挑発した。

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posted by くみちゃん at 22:33| Comment(17) | 小説