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イージス艦みょうこう 戦闘指揮所
「敵、ミサイル10発を発射、先ほどと同様、放物線を描いて向かってきます」
レーダーを見ていた南野は再度敵から誘導弾が発射された旨を報告する。
射撃管制を行っていた牟田口も極めて落ち着いている。
「どうやら敵は攻撃の手を緩めるつもりは無いようだな」
艦長が牟田口に話しかける。
「そのようですね、あれが攻撃のつもりなのでしょう。当たるわけ無いのに、1発では解らんのだろうか」
「牟田口、戦場で楽観だけはするなよ」
「失礼しました」
艦長は目を瞑る。
「確認だが、SSM1Bは対空プログラムがなされたもので間違い無いな?」
「はい、間違いありません。
簡易な対空プログラムに仕様変更がなされています」
既存のSSM1Bは簡易式対空プログラムへ仕様変更され、SSM2も順次対空プログラムと新型人工衛星誘導システムに対応出来るよう、順次改良が加えられている状況であった。
彼は目を開く。
「敵の攻撃を迎撃、その後敵空中艦に対空ミサイルを2発、艦隊艦誘導弾(SSM1B)を1発ほど届けて差し上げろ」
「はっ!!」
「敵艦への直接攻撃を開始する!」
ギリシャ神話において、主神ゼウスが娘、女神アテネに与えたとされる、あらゆる災厄、魔除けの能力を持つとされるイージスの盾
イージスの名を冠した護衛艦がその真価を発揮する。
イージス艦みょうこうの前部に設置された垂直発射装置の蓋が開いた。
煙と炎をあげ、連続して対空誘導弾が射出された。
その数12。
12本もの科学の槍は白い尾を引きながら飛翔し、一瞬で青空に消えた。
続けて艦中央部、斜めに設置された筒から一際大きな煙が上がる。
さきほどよびもゆっくりと発射されるそれは、明らかに今までのミサイルよりも太くて大きい。
斜め上方を向き、ロケットモーターによりゆっくりと加速を開始する。
巡洋艦でさえも1撃で大破させうる威力を有する自衛隊の艦対艦誘導弾(SSM−1B改)は敵空中戦艦に向けて放たれた。
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