クルセイリース大聖王国 聖王直轄飛空艦隊 旗艦 聖帝ガウザー 中央司令室
『神の炎は順調に飛行中』
艦橋では立体的映像に、対艦誘導魔光弾(神の炎)が飛翔する映像が写る。
敵の戦闘艦など1撃で葬る威力を有する強烈な威力。
青い光に包まれて飛翔する姿は優雅で力強かった。
「フフフ……敵が哀れになってきたよ」
司令アエロリットは右手に持ったグラスの液体を一口能み、艦長ガンドライトに話しかける。
「全くでございますな、彼らは何も知ること無く、神の炎に包まれるのです。
このような超高性能兵器によって死する敵はむしろ光栄に思うかもしれませんな」
約束された勝利を確信した。
『電磁反射式レーダーに反応!!敵は何かを2発発射しました!!速度……音速の2倍を超過!神の炎に向かっています!!
なお、魔力レーダーに反応しないため、映像化出来ません!!』
「なっ……何だって?」
ありえない、敵の行動が理解出来ない。
仮に神の炎を探知し、対空砲を発射したとしても敵までまだ70km近くあり、距離がありすぎる。
たったの2発で、無誘導ならば当たるはずがない。
たどり着く1つの結論。
「ま、まさか……まさか神の炎を探知して迎撃の誘導弾を発射したのか?」
「そんなバカな、飛空艦のような大きな目標ならともかく、音速に近い速度で飛翔し、小さいコアである神の炎を迎撃出来るはずがありません!!」
日本国が誘導弾を有しており、さらに魔力レーダーにさえ反応しないという情報は得ていた。
さらに、飛空艦を粉砕するほどの威力を有し、正確に高速で着弾するとの情報も得ていたが、神の炎のような音速に近い飛翔速度で飛ぶ対艦誘導魔光弾を迎撃出来るという事は、前記兵器よりも超絶な性能が必要であり、想定の遙か上だ。
地球の文明を知っていたなら想定した事象であるが、彼らの生きてきた常識、魔導技術レベルからは想像すら出来ない事象であった。
電磁反射式レーダーの情報も艦橋に光点の映像として表示される。
その速さは凄まじく、まっすぐに神の炎に向かっていた。
『接触まであと10秒!!7……6……』
「まさか……まさかっ!!!」
『3……2……1……今!!』
急速に接近してきた光点は、神の炎と重なる。
同時に、映像として映し出されていた神の炎が大きく爆発した。
「なっ!!」
「そんな、そんな馬鹿なっ!!!」
誇らしく飛翔していた神話級兵器は爆散し、炎の欠片となって空から落つ。
彼らはワナワナと震えはじめるが、現実はそれを待ってはくれなかった。
『敵の攻撃、残り1発がまっすぐこちらに向かって来ます!!!時間算出中!!』
「な……何だと!?」
『算出完了、約40秒で到達します!!!』
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