2017年08月16日

第68話 バルチスタ大海戦P1

第2文明圏 ムー大陸北方 バルチスタ海域

海を埋め尽くさん限りの大艦隊が西へ向かっていた。
この異世界の連合軍と言っても差し支えないほどの強軍、世界連合艦隊……。
彼らは武力によってこの世界の秩序を乱す者、彼らの基準にとっては悪となるグラ・バルカス帝国の艦隊を滅するために西へ向かう。

艦隊は様々な国々、技術体系の異なる連合艦隊であるため、さながら船の博物館の様相を呈していた。

ある艦は黒き煙を吐き、そしてある艦は帆をいっぱいに張って進行していく。
実に異様な光景……。

しかし、その中に神聖ミリシアル帝国主力艦隊の姿は無い。

かの国の艦隊であるのは地方隊の8隻のみ……。
進行速度を合わせると、戦力が低下するというのが主な原因らしかった。

「すごい量だ……見た目も力強く、どんな敵が来ても負けようが無い……そう思えて来るな。」

ムー国の機動部隊司令レイダーは、眼前の光景を見て感嘆する。
ムー艦隊旗艦、ラ・カサミ級戦艦『ラ・エルド』の艦橋から彼は眺める。
 
「司令、毒舌ですね。『見た目』とはっきり仰る。
 私も……前回の戦闘報告が正しければ、眼前の列強艦隊は我が国も含めてグラ・バルカス帝国の攻撃を受けた場合、敗れるかもしれません。
 もっとも、神聖ミリシアル帝国主力とムー大陸北方に展開する第二文明圏のワイバーンをかき集めた『第二文明圏連合竜騎士団』500騎の力をもってすれば……いかにグラ・バルカス帝国であろうと、数の力で
勝てると思っていますが……。」

 ラ・エルド艦長テナルは司令に返答した。
彼は続ける。

「日本国の軍事資料を研究し、我々の力で対抗するための戦術、有用な兵器は積んでいますし……。」

 テナルは戦艦を見る。
 彼の視界の先にはハリネズミのように上へ向く20mm機関砲が見える。

「さて……どれだけ効果があるかな。」

 眼前に広がる大艦隊、そして今回の戦力を考える。

 世界連合艦隊
 〇 ムー 機動部隊 50隻(第2文明圏 列強)
 〇 神聖ミリシアル帝国 地方艦隊 13隻(中央世界 列強)
 〇 トルキア王国 戦列艦隊 82隻(中央世界)
 〇 アガルタ法国 魔法船団 70隻(中央世界)
 〇 ギリスエイラ公国 魔導戦列艦隊 98隻(中央世界)
 〇 中央法王国 大魔導艦 2隻(中央世界)
 〇 マギカライヒ共同体 機甲戦列艦隊 28隻(第2文明圏)
 〇 ニグラート連合 竜母機動艦隊 30隻(第2文明圏)
 〇 パミール王国 豪速小型砲艦隊 115隻(第2文明圏)
                        他
 別動隊
 第二文明圏連合竜騎士団 500騎
 神聖ミリシアル帝国 第1、第2、第3魔導艦隊 各 魔導戦艦2、空母2、重巡洋艦4、巡洋艦8、小型艦20(36隻×3艦隊=108隻)


 テナル達ムーの軍人は知らないが、これに

 古代兵器(古の魔法帝国〜ラヴァーナル帝国製) 空中戦艦 パル・キマイラ 2隻

 が加わる。
 彼は間もなく歴史に刻まれるであろう戦いを前に、気を引き締めた。

 力と力、物量と物量のぶつかり合いが今、始まろうとしていた。

◆◆◆

 ムー国海軍旗艦 ラ・カサミ級戦艦 ラ・エルド

「報告します。偵察に向かっていた第2空が我が方へ向かってくる敵1機を発見!距離108km、まっすぐこちらに向かって来ます!!
 なお、敵は高速のため迎撃不能!!」

 艦橋に緊張が走る。

「ついに始まるか……おそらくは偵察機、落としたいな……。
 艦隊にあっては戦闘配備!10機ほど迎撃機を上げ、敵を撃墜せよ!!
 各国艦隊へ伝えろ!!偵察機が来るとな!!!」

 ムーの艦隊司令レイダーは吠えた。

「了解!!」

 敵の侵攻であれば、艦隊上空を護衛中の航空機が向かうが、今回は対偵察機のため、練度の特に高い護衛戦闘機よりも、通常の飛行隊で比較的練度の高い者が選出された。
ムーの空母が加速を開始する。
 空母のうちの1隻から、マリン型艦上戦闘機が発艦していく……透き通るような青い空に向かい、彼らは離陸を開始した。

タグ:日本国召喚
posted by くみちゃん at 22:29| Comment(7) | 小説
この記事へのコメント
投稿お疲れ様です!
Posted by at 2017年08月16日 22:32
お、お疲れ様です!待ってました!遂に来た!
Posted by rou at 2017年08月16日 22:54
この海戦が終わった後で、マイラスが「だから、あれほど、日本軍の到着を待てと言ったのに!」とぼやく光景が、なんだか目に見えるようです。
Posted by にしなさとる at 2017年08月17日 00:01
魔道戦艦6隻でグレードアトラスター相手でも過剰戦力と判断していたのかw

パル・キマイラ無しの検討でこの見積もりは理解できない
Posted by at 2017年08月17日 02:59
ムーが15隻ミ帝が5隻足りないのは最終的に、海自と連合を組むからですかね?
Posted by at 2017年08月17日 03:13
ミ帝の艦隊の規模が思っていたよりは小さい。
もっと数で押すのかと思っていたが。
戦艦も空母もグ帝側に対し数で劣っている。
司令長官クリングはどうしてこれで十分と判断できたのか?

グ帝側の戦力の質を見誤っているのか?
それともグ帝の東方艦隊全力出撃を読めなかったのか?
Posted by at 2017年08月17日 05:14
上層部にはグ帝の事は伝わって無いから質も量も劣っていることに気づいていない
Posted by at 2017年08月17日 08:58
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