2018年06月18日

第76話迫る戦火2P1

 三津木は持論を展開していた。

 先進11ヵ国会議において、グラ・バルカス帝国が全世界に対する宣戦布告をした。
これを受けて防衛省では、緊急の日本国土防衛計画が策定され、1次的に本土防衛の具体案が出来た。
 次に、日本の生命線とも言えるロデニウス大陸にある、クワ・トイネ公国とその周辺防衛、クイラ王国とその周辺防衛、さらにそこから伸びるシーレーンは日本が生き残るために無くてはならないものであり、これも具体的施策を完了し、「守る」意味での準備は万端だった。
 しかし、ムー国との経済的シーレーンや、グラ・バルカス帝国からの脅威を完全に除去するための案については、議論はなされていたが、相手がどのように出て来るのか、具体的な兵器の性能も不明であったため、「草案」は出来ていたが、具体案についてはまだ議論の最中であった。
 そんな中、自動車運搬船攻撃の報がもたらされ、さらにグラ・バルカス帝国が陸軍基地をムー国境に建設し、侵攻の可能性も出てくる。

本土防衛および、ロデニウス大陸とのシーレーン確保の戦力を残しつつ、2万キロ離れたムー大陸とのシーレーンを確保し、さらに大陸に展開するグラ・バルカス帝国を叩きだす案を、少ない自衛隊戦力で出せという政府からの指示。
アメリカ並みに戦力が充実していれば、問題なく行えるのだろうが、兵器性能差があるとはいえ、少ない戦力で、「防衛」しなければならないという状況に、自衛隊幹部達は頭を痛めていた。
そんな中、三津木は自信たっぷりに話す。

「現在ムー国は、国家存亡の危機にあります。日本国からの支援は、喉から手がでるほどほしい事でしょう。
 今度、ム―東にある貿易の街、マイカルに、ジャンボジェットが発着可能な空港が完成します。ジェット燃料基地もここに完成しますので、同空港を足掛かりとします。
 ムー国は、各国に外務省連絡用空港を備えています。日本国の転移後、ムー国はこれらをジェット戦闘機発着可能な状態まですでに作り上げています。
 ここに、ムー国の金と設備投資により、ジェット燃料も完備してもらいます」

 話はつづく。

「次に、ムー国内における基地の使用と航空燃料、弾薬庫の設置をムーに打診、彼らの金で作ってもらいます。
 もちろん、製品は日本製でなくてはならないので、弾薬に関しては、ムーは金を出すだけとなるでしょう」

「ムー国西側からであれば、レイフォルの首都レイフォリア沖合までF-2の戦闘行動半径にギリギリ入りますので、前線基地は必ず必要でしょう。
 各国にも日本国が勝ったことを印象付けるため、神聖ミリシアル帝国を率いて、2個護衛隊群と、F-2戦闘機、及びBP3Cのピストンにより、グラ・バルカス帝国海軍、そして敵、航空戦力を撃滅し、可能であれば、イルネティア王国にいる戦力も同時に削ります。
 現在のグラ・バルカス帝国の航空機の性能では、BP3Cが単独行動をしたとしても、迎撃可能な機体は保有していないと思われます」

 日本国は、パーパルディア戦の際にP3C対潜哨戒機を改良、対艦攻撃能力をそのままに、簡易的な爆撃まで可能とし、BP3Cとして運用を開始しており、さらにP1と呼ばれる次世代対潜水艦哨戒機の量産を開始していた。
 
「あとは、ムー国艦隊と、神聖ミリシアル帝国艦隊による帝国の海路による補給を封鎖します。
 グラ・バルカス帝国海軍が来た場合は、ムー国と神聖ミリシアル帝国はレイフォル沖合まで撤退し、F-2戦闘機による上空支援を受けます。
 本国からの支援が絶たれたら、彼らは弱る一方です。
 ある程度の陸上戦力は残るでしょうが、補給無しでは、ムー国全土を支配するには至らないでしょう。
 また、帝国本土に展開する艦艇に対して、潜水艦により、後方よりかく乱する必要もあるでしょう」

 場がざわつく、彼は続けた。

「現在帝国の宣戦布告から、弾薬……特に、空対艦誘導弾と艦対艦誘導弾は、フル生産状態に入っており、これらを集約させれば、帝国の艦艇数から考えて、撃滅は可能でしょう。
 私の試算では、これらすべてが上手く行ったとして、準備に、最低でも3か月かかります。時間稼ぎが必要ですね。
 あと、レイフォルには空爆を極めて受けにくい空洞山脈と呼ばれる特殊な土地がある事は理解しています。
 陸自の派遣も絶対に必要となるでしょう」

 議論は続く。
 彼らは日本国および友好国を防衛するため、知恵をしぼり続けるのだった。

 
 後日、日本国政府は自衛隊のムー国派遣を決定した。

タグ:日本国召喚
posted by くみちゃん at 22:35| Comment(12) | 小説
この記事へのコメント
これは……ムー側から見れば、日本にかなり「足元を見られた」ことになりますね。
と言っても、国家存亡の危機にある以上選択の余地は無いし、他に方法が無い以上、苦々しくても日本の要求を呑む以外無いわけですが……。
Posted by にしなさとる at 2018年06月18日 23:16
基地を稼働させるのに輸送船による弾薬と燃料の輸送が必要になりそうなのは何とかなるかな

場所によっては空港を守るための防空部隊と地上部隊も必要だろう

制海権確保したら占領地の維持に必要な警備部隊は異世界連合で何とかなりそう
Posted by at 2018年06月18日 23:24
先進18ヵ国会議において、グラ・バルカス帝国の全世界に対する宣戦布告をした。


グラ・バルカス帝国は ではないでしょうか?
Posted by 誤字見つけ隊 at 2018年06月18日 23:48
そんな中、自動車運搬船攻撃の報がもたらされ、さらにグラ・バルカス帝国が陸軍基地をムー国境に建設し、侵攻の可能性も出てくる。

最初の1マス開けがないです。それと「侵攻の可能性も出てきた」ではないでしょうか
Posted by 誤字見つけ隊 at 2018年06月18日 23:55
何度もすみません。


現在ムー国は、国家存亡の危機にあります。日本国からの支援は、喉から手がでるほどほしい事でしょう。
 今度、ム―東にある貿易の街、マイカルに、ジャンボジェットが発着可能な空港が完成します。

「喉から手が出るほど欲しい事でしょう。」漢字の方が良いと思います!

二つ目のムーについて、ーが他と違っています

Posted by 誤字見つけ隊 at 2018年06月19日 00:01
あとは、ムー国艦隊と、神聖ミリシアル帝国艦隊による帝国の海路による補給を封鎖します。

神聖ミリシアル帝国艦隊により〜 ですね。
Posted by 誤字見つけ隊 at 2018年06月19日 00:04
>> 各国にも日本国が勝ったことを印象付けるため、神聖ミリシアル帝国を率いて、

「率いて」は指揮下に入れてという意味なので、何となく無理がありそうな感じが
Posted by at 2018年06月19日 07:39
神聖ミリシアル帝国はプライドが高いので、皇帝を煽るかおだてるかすれば出てくるでしょう。日本としては単に自衛隊の活躍の目撃者になってくれれば良い訳ですから。
Posted by at 2018年06月19日 12:08
作戦案にF-15が出てない。機種を限定する理由は整備性だけかな?それとも、別の案件があるのか・・・
Posted by at 2018年06月19日 19:41
冒頭のとこは18ヵ国じゃなく11ヵ国ですかね
Posted by at 2018年06月19日 20:09
>ジェット戦闘機発着可能な状態まですでに作り上げています。

大型輸送機や空中給油機はまだ無理なのかな
Posted by at 2018年06月20日 10:16
ミ皇帝は日本の力が見たいようだったから、日本との連携に外交官や政治家が嫌がってもそこそこの戦力を出して来るんじゃないか?
威光を見せるためにパルキマイラ出して来るかも知れない。
Posted by at 2018年06月20日 23:39
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