2019年07月19日

第94話 神撃の大帝国P5(ボツ)

※ この話はボツ作品です。反省のためにデータを残しておりますが、根本的に書き直すので、無視して先にお進みください


「一瞬で3機が!!!我が軍はグラ・バルカス帝国だぞ!!」

 こちらの艦隊が発見されたことは疑いようが無かった。

「司令、敵を引きつける事には成功した……ということでしょうか?」

 艦長は艦隊司令に尋ねた。

「ああ、引きつける事は成功だ」

「では、反転を進言します。撤退する事で生存の可能性も上がり……」

「馬鹿者!!」

 狭い艦橋に怒号が響く。

「進むのだ!!進むことにより、敵は我らが艦隊を主力と錯覚する。
 我らの他にも付近海域に主力がいるはずと、こちらに戦力を振り分けるだろう……そして……それに勝つ!!」

「し……しかし、危険です!!日本軍は想像以上に強いと聞きます。こちらの戦力はあまりにも低い!!駆逐艦たったの50隻と軽空母のみです。
 乗組員の命を無碍に差し出す訳にはいきません!!」

「艦長、君は軍人では無いのかね?引きつけた敵の大部隊を滅したいとは考えぬのか?それに、グラ・バルカス帝国の軍人である以上、国のために死ぬのは当たり前の事だろう?
 覚悟は無いのか?」

「解っておられると思いますが、この艦隊は囮です!!旧式駆逐艦と、軽空母の寄せ集めだ!!しかも、故障艦を曳航している艦も多く、速度も出せない。
 こんな装備でどうやって勝つおつもりか!!
 こんな艦隊では、ムー相手でも危ういのです!!」

「日本国は強いなどという考えを持つ者が増えているが、栄えあるグラ・バルカス帝国に総合力で勝てるわけが無かろう!!
 今回敵は高性能兵器を積極的に使用すると上層部は考えている。
 この艦隊は囮だと。
 しかし、活路は在るはずだ!!私はこの相手に勝てと命じた。
 命じられた以上、それを成すために全力で動くのだ。自分で自分の限界を決めるな!! 命令を遂行するのが部下の努めだろう」

「なっ!!!」

「たしかにこの艦隊は、弾よけ艦隊だ。
 だが、私はこんなところで人生を終えるつもりは無い。
 必ず勝って、軍本部に返り咲いてやる!!」

「司令は、勝てると踏んでいるのですか?予測される敵戦力と使用兵器、そして数は?
出現する敵艦隊の位置及び数、そして使用兵器は?
 何もつかめてはいないでは無いですか!!!
 我らの現状は、敵が何処にいるのかも解らない、そしてどれだけの数いるのかも解らない。兵器の種類も数も解らない上に、高性能兵器の使用のみ予想される状況です。
 この状態でどうやって勝てと?
 命令すれば従え、これは納得できますが、勝つためにはそれに至るプロセスが必用なのです。」

 艦長は、司令オールトが何も理解していない事に戦慄した。
 部内の試験だけで勝ち上がり、軍の本質に関してこの男は本当に理解していない。
 失敗すれば自分も死ぬという事実を理解しているのだろうか。
 しかも、通常の艦隊ならばともかく、故障艦やデコイを曳航している旧式駆逐艦部隊。
 敵は大部隊では無いかもしれないが、こんな装備では、敵が弱くとも負けてしまう。
 そんな何も理解しない男が艦隊司令で、しかも囮……軍本部もこの男を厄介払いしたのであろう。

 艦長がさらなる抗議をしようとしたとき、艦隊前方の駆逐艦が猛烈な光を発して煙に包まれる。

「こ……攻撃か!!!」

「駆逐艦バロウ被弾!!」

「第2艦隊駆逐艦の曳航デコイに被弾!デコイ分裂!!」

「駆逐艦ロウボル轟沈!!」

 突然、海域に地獄が訪れた。

「な……何だと!?敵は、何処から攻撃している!!敵艦隊は何処だ!!!」

 オールトは吼えるが、解る者はいない。
 悲劇の報告は続く。

「ピルク、バーグ、クドナル轟沈!!!」

 付近には閃光、そして轟音がこだまし、たったの1撃で駆逐艦は海へと消える。

「デコイ第4から第7、第12から第33まで消失!!」

 どこから攻撃されているのかも解らず、戦艦主砲弾数発の攻撃に耐えるはずのデコイが一撃で使い物にならなくなる。
 そして、デコイの1つとして曳航している廃艦も、たったの1発で轟沈してしまう。

 猛烈な火球と、戦艦の主砲でも作り出せぬほどの爆発が多数出現した。
 攻撃が見えず、何処から攻撃されているのかも解らない。
 たまたま攻撃に当たらなかっただけであり、自分がそれに当たったときに命は終わる。
 戦慄の恐怖。

「う……こんなところで死にたくはない!!!死にたくない!!」

 周りの目も気にせずに発狂する兵士達。
 付近を見渡すと、次々と正確に打ち込まれる敵の攻撃。
 1発も外れていないようにさえ見える。

「これほどの相手なのか!!一体どうやって……」

 次々に消える友軍、オールトは恐怖心が全身に駆け巡った。
 
「こんなところで!!こんなところで終わらんぞ!!!」

 海面すれすれに飛行してきた超高速物体が、不意に上昇し、オールトの乗艦する艦、しかも艦橋にまっすぐに向かってきた。

「うわぁぁぁぁ!!!」

 軽空母アマルテアは猛烈な光に包まれる。
 F−2戦闘機の放った空対艦誘導弾(ASM−2)は軽空母アマルテアの薄い装甲を突き破った後、内部でその威力を解放、高性能爆薬の爆圧によって、内部に積まれていた爆弾も誘爆、海上には大きな火柱が出現した。

 大きな破口からは、大量の海水が浸水し、一気に海に引き込まれる。
 爆発による煙が晴れる頃、海上は静かに波打ち、船はその姿を消す。

 グラ・バルカス帝国 第3特殊任務部隊は、日本国航空自衛隊及び海上自衛隊による対艦誘導弾の飽和攻撃を受け、全滅した。
 
タグ:日本国召喚
posted by くみちゃん at 18:16| Comment(15) | 小説
この記事へのコメント
更新ありがとうございます!!
Posted by 第三のキタキタ詐欺師 at 2019年07月19日 18:17
一隻に対艦ミサイル一発だと飽和攻撃ではないのでは。
Posted by at 2019年07月19日 18:35
何時もなら、ここで続くとなるが
やったーあとふたつある
Posted by at 2019年07月19日 18:52
>Posted by at 2019年07月19日 18:35

飽和攻撃とは防御側の対処能力を上回る量の集中攻撃で防御ラインを突破することだから、必ずしも「飽和攻撃 = 1目標に対する複数発同時攻撃」とはならないよ
Posted by at 2019年07月19日 19:19
ASM-2にトップアタック出来る機能は無いはずですよ
Posted by at 2019年07月19日 19:20
偵察機さえない艦隊で勝つのは難しいと理解できない指揮官はある意味定在適所かもしれないw
Posted by at 2019年07月19日 19:34
正面からぶつかってきたが漁船やカッターもふくめ想定より数が多すぎて弾が物理的に足りないの方が、
良い緊張感あったんじゃない

今回の緊張感は失策からの緊急事態だからすくいようがない
Posted by at 2019年07月19日 20:08
こだわりがあって描いてたら申し訳ありません、

ミサイルで沈む描写がいつも同じで、他にバリエーションあったほうがいいような気がします。(毎回誘爆してるなって思ってしまったので)
Posted by at 2019年07月19日 20:14
ナグアノの案とはデコイかな
Posted by at 2019年07月19日 20:38
>Posted by at 2019年07月19日 20:38
私も、これがナグアノの案だと考えます。
しかし、まともな戦術家なら、この程度は予測できて当たり前のはずですが。
Posted by にしなさとる at 2019年07月19日 21:12
Posted by at 2019年07月19日 20:08
それじゃ日本負けるじゃねえか
Posted by at 2019年07月20日 00:01
デコイならバルーンで作って倍率ドンさらに倍ってやればミサイル足りなくなって艦砲合戦にできたものを・・
廃船デコイは重い遅いさらにミサイル相手じゃ壁にもならない
Posted by at 2019年07月21日 11:21
Posted by at 2019年07月21日 11:21
実を言うとASM-2は「目標選択機能」があって、赤外線画像で目標を識別する機能(あいてが戦闘艦か輸送艦か識別する程度の初歩的なものだけど)があるので、デコイを曳航している廃艦には騙されるだろうけれどデコイ本体には簡単に騙されないよ。

だからナグアノの案、実は「名案の様でも意味がない」策だったはずなのに、作者はそれに気付かず大エラー。
Posted by at 2019年07月21日 11:29
パ国が220隻って数えられるほど近くにきてたのに囮と気づかなかった?
しかも、曳航で異常に速度遅かったのに疑問すらない?

専門家の監修が必要かな。適当でも良いですが、これはザル過ぎです。
Posted by at 2019年07月22日 15:03
悠長に分析する余裕が無かったであろうこと。船の数は豆粒くらいの大きさでも数えられるし、デコイが廃船ならぱっと見誤魔化されても仕方ない。誤魔化し様が無いほど近づいてはいない様だし。
それより最初に発見された6機の直掩機(?)の速度が速過ぎると思う。戦闘速度ではないのだから。
Posted by at 2019年07月22日 19:58
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