2019年07月24日

第94話 覇王の行進P4


◆◆◆

 第3文明圏外国家 ニューランド チエイズ王国

 冒険者アルホーはチエイズ王国の空を竜に乗り、飛行していた。

『そこの竜!!直ちに引き返せ!!』

 先ほどから聞こえる魔信をすべて無視する。
 竜を操る腕は誰にも負けない自信がある。王国竜騎士団の、直轄隊長にだって決して負けないだろう。
 冒険家業について一八年、大物をつかんだのは1回しか無い。
 邪竜侵攻、この時に自分がワイバーンの導力火炎弾を当てた事がきっかけで、仲間達が作戦を実行し、邪竜の侵攻から王国を救った。
 この時、王国から多大な褒賞を与えられ、前途有望な冒険者とされ、嫁も娶った。
 しかし、その後の冒険では全く上手くいかず、嫁や子供にも貧乏な思いをさせてきた。

 そんな中降ってわいたミリシアル帝国の褒賞の話。
 しかも、グラ・バルカス帝国はチエイズの港で停泊しているという話だ。

 列強だろうが何だろうが、止まってる目標など自分にとっては的だ。
 鉄竜が強かろうが、自分も竜を操る腕に勝てるわけが無い。
 上から導力火炎弾を撃って離脱する。自分なら必ず当てることが出来る。

 上までたどり着けば自分の勝ち、嫁や子供と神聖ミリシアル帝国の市民権を得た上で一生遊んで暮らせる。
 夢のような話。

 アルホーは、風を切り、竜を操っていた。

「ん?」

 前方に点が見える。
 
「噂の鉄竜か!!」

 念の為、すぐに急降下し、地を這うように進んだ。
 しかし、鉄竜はこちらを見つけて急降下してくる。
 脳裏に浮かぶ嫌な予感、アルホーは右に急旋回を行った。

「なっ!!」

 自分の先ほど進んでいた進路の先に光弾が降り注ぎ、地面に当たった光は大きく爆発して土煙を上げる。
 鉄竜は急降下して来た後、神速とも言える速さで機首を上げて上昇する。

「は……速い!!」

 アルホーはすぐに敵に頭を向け、導力火炎弾を発射した。
 しかし……。

「ば……バカな!!あれをあっさり避けやがった!!!
 速いのに何て旋回性能だ!!!」

 すぐにこちらに機首を向けられる。
 鉄竜の高いうなり声がさらなる恐怖をかき立てた。
 地面は砂で覆われ、隠れるところは何処にも無い。

「く……くそっ!!!」

 死の予感……。敵から放たれる光弾は至極ゆっくりに見えた。
 今までの人生が脳裏に浮かぶ。
 最後に嫁と子供の泣き顔が見えたような気がした。

「す……すまん」

 体に走る熱い感覚、薄れ行く意識の中、アルホーは家族の生活を心配するのだった。


タグ:日本国召喚
posted by くみちゃん at 22:41| Comment(7) | 小説
この記事へのコメント
乙です。

もしかして
とある二次創作に添う形になるのかな?と期待
Posted by at 2019年07月24日 22:43
一介の冒険者が個人でワイバーンを所有できるみたいですね
ワイバーンは戦闘機というよりセスナ機くらいの値段感覚なのでしょうかね
Posted by at 2019年07月25日 07:47
どこかで似たような話を読んだような。
Posted by at 2019年07月25日 08:41
鉄竜が強かろうが、自分も竜を操る腕に勝てるわけが無い。
ってのは
鉄竜が強かろうが、自分の竜を操る腕に勝てるわけが無い。
って感じの誤字かしら?
Posted by at 2019年07月25日 21:19
可哀想(´・ω・`)ショボーン
Posted by at 2019年08月03日 04:27
鉄竜って、飛行機のことですよね
ムーのは飛行機械と呼ばれているけど鉄竜とは呼ばれてない
ムーと神ミ帝で飛行機が運用されているけど、知名度はどれくらいなの?
Posted by at 2019年08月07日 23:17
もう8月過ぎてて
2週間ちかく経過してるけど

小説家になろうへの投稿まだですかね?
Posted by at 2019年08月08日 23:30
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