2019年11月17日

第96話 覇王の行進3 P1

「撃て撃て撃て撃てぇ!!!」

 ダダダダダッ…ダッ…ダダダダダッ

 海上に射撃音が鳴り響く。
 総数200を超える艦艇が出す砲撃音は、海上に響き渡った。
 巡洋艦テラ・バーカ艦長「パーボルト」は、攻撃目標を睨み付ける。
 先ほど1発が艦隊に紛れ込んだが、帝国の強力な防空網でたたき落す事が出来た。
 つまり、敵の攻撃は防げるという事が証明された訳だ。

「敵の攻撃はロケット弾だ!!敵を見据えつつ、撃ち落とせ!!
 機関全速!!回避運動しつつ、射撃実施!!」

 パーボルトは、敵の攻撃は正確な座標を貫く計算され尽くしたロケット弾のようなものだと考えていた。
 友軍から打ち上げられる多数の光弾……これほどの弾幕であれば、必ず防ぐことが出来るだろう。
 目標の1体が、上昇する。

「撃て撃てぇ!!狙えば当たるはずだ!!早く撃ち落とせぇ!!」

 上昇した後、頭がこちらへ向く。
 点のように見えると言うことは、この艦にまっすぐ向かってきている事を理解する。
 パーボルトの背筋に悪寒が走った。

「早く落とせぇ!!」

 艦の動きがひどくゆっくりしたものに感じ、もどかしい。
 艦の動きに合わせてロケットは向きを変え、目標が外れる気配がない。

「ロケット、ついてくるぞっ!!」

 誰かが悲鳴のように叫んだ。

「落とせるはずだ!!落とせるはず……」

 先ほどは落とせた。帝国の防空網で落とせるはずなのだ。
 しかし、全く墜ちる気配は無く、ロケットは無慈悲に距離を詰めた。

「うおぉぉぉぉぉ!!」

 艦橋へ向かって飛んできた対艦誘導弾はその威力を開放した。
 爆圧は弱い方向へ駆け巡り、大爆発を起こした。
 上部構造物は猛烈な爆発と共に吹き飛ばされる。

 艦長パーボルトは光と共に、この世を去った。

◆◆◆

 旗艦クウェーサ

 司令アウロネスの目に、悲劇が飛び込む。
 圧倒的な……雨とも言える対空砲火、その砲撃をかいくぐり、次々と敵の攻撃が着弾していた。
 その爆発の威力は凄まじく、巡洋艦の大きさを超える爆発が多数出現する。 

「巡洋艦テラ・バーカ大破!!」

「駆逐艦カロン轟沈!!」

 艦橋には悲劇的な報告が続く。

「ああっ!!」

 対艦誘導弾は旗艦クウェーサの右側を走っていた空母ケルベロスに突き刺さり、光を放つ。
 上部で発進待機していた爆撃機、雷撃機はすべて吹き飛ばされ、搭載していた爆弾に誘爆した。
 一際大きい爆発が出現し、海水が艦内に流れ込んだ。
 急激に艦首が上を向き、海に立つ。
 沈み行く空母ケルベロス、艦周辺に下向きの海流を生んだ。

「うわぁぁぁぁっ!!」

「ぎゃぁぁぁぁぁっ!助けてぇぇぇっ!!!」

 海流に巻き込まれた隊員の悲鳴が、旗艦まで聞こえる。
 アウロネスの胸は締め付けられた。
 
「被害報告!!」

 着弾した艦は急激に速度を落とし、艦隊後方へ墜ちていく。
 未だかつてアウロネスが受けた事の無い一方的な攻撃に、精神が崩れそうになった。

「敵攻撃11発、命中艦11、轟沈7、大破自走不能3、中破1、自走可能艦は、中破の戦艦アンテです」

「全弾命中だと?全く防げなかったというのか……くそっ!!」

「しかし、戦艦は敵の攻撃では撃沈出来ないという事です」

 副長の話は入ってこない。
 怒り、そして恐怖のやり場が無く、艦の壁を強く叩いた。

 帝国の防空網は簡単に突破された。
 しかも、多くの者達が見ている中、空母がたったの1撃で轟沈されるという悲劇。
 司令だけでは無く、兵達もまた戦慄した。

「発射位置の特定はまだ出来ないのか」

「出来ません!!」

「ぐっ……早く見つけろ!!」

 アウロネスは声を絞り出した。
 攻撃は一時的に止む。


タグ:日本国召喚
posted by くみちゃん at 22:46| Comment(16) | 小説
この記事へのコメント
更新キマシタワー!
Posted by at 2019年11月17日 22:47
早い!更新ありがとうございます〜!
Posted by at 2019年11月17日 22:48
更新ありがとうございます!

最近一層と寒くなっておりますのでお体にはお気をつけて
Posted by at 2019年11月17日 22:49
ミサイルの数と見つけた数に差があると予想したけど一意していたのか

グラバルカス凄いな
Posted by at 2019年11月17日 23:24
ミッドウェー海戦の時と同じですね。
空母の最大の弱点は発艦時。攻撃隊の発進直前に被弾したら、誘爆して命取りになります。
Posted by にしなさとる at 2019年11月18日 01:11
通常、「撃沈される」とは言いますが、「轟沈される」とは言いません。
Posted by at 2019年11月18日 01:13
もう更新きとるやんけ!(歓喜)

それにしても名前がテラ馬鹿とは…w
Posted by at 2019年11月18日 02:04
戦艦がミサイル一発で沈まなくて安心したわ。
Posted by at 2019年11月18日 05:31
>Posted by at 2019年11月18日 01:13
〜〜〜〜
【轟沈】
《名・ス他》砲撃・爆撃・雷撃などにより艦船を一分間以内に沈めること
〜〜〜〜
撃沈(げきちん)とは、何らかの攻撃によって艦船を沈没させることである。
〜〜〜〜

まあ、戦闘報告の現場用語として使っているかは知らんが…
Posted by at 2019年11月18日 08:22
>>上部で発進待機していた爆撃機、雷撃機はすべて吹き飛ばされ、搭載していた爆弾に誘爆した。
>>一際大きい爆発が出現し、海水が艦内に流れ込んだ。

「搭載していた爆弾」というのは、航空機にではなく艦内に搭載されていたということですかね
艦内にある爆弾の一部が一斉に誘爆したら、たしかに舷側に内側から穴が開くかもしれません
ちなみに、ミッドウェー海戦時の赤城は爆弾魚雷が誘爆しましたが沈没にまで致らず、味方に雷撃処分されてます
Posted by at 2019年11月18日 10:12
普段よりも一足早い更新に、唯唯感謝しかありません。
そして、お疲れ様でした。
それはそうと、真っ先にぶっ潰すブリキ缶が「テラ馬鹿」ですかぁ。
よっぽどコメント欄の賑やかしに、腹を据えかねていらっしゃったのでしょうか?
きっと違いますよね?
Posted by ンデレヴィーヤ at 2019年11月18日 20:03
>>ちなみに、ミッドウェー海戦時の赤城は爆弾魚雷が誘爆しましたが

赤城と加賀は元が戦艦だから、艦体そのものは頑強。
しかし、格納庫部分が脆かった。
更に可燃性の塗料が厚塗りされていたので、隔壁そのものに引火して手がつけられなくなった。
機関部と推進器は無傷だったので、炎に追われて海に飛び込んだ乗員はスクリューに巻き込まれ、航跡が赤く染まったという。
Posted by at 2019年11月19日 15:28
>>「敵攻撃11発、命中艦11、轟沈7、大破自走不能3、中破1、自走可能艦は、中破の戦艦アンテです」

この文中、“自走不能” “自走可能”と書かれている所はそれぞれ“航行不能” “航行可能”と訂正すべきだと思います。
Posted by at 2019年11月20日 16:19
"正確な座標を貫く計算され尽くした"は貫くを除いた方がわかりやすいと思います
Posted by at 2019年12月13日 12:30
95話でミサイル一発迎撃できたとき、グ帝奇跡起きすぎとか、作者に贔屓されてるとかコメントあったけど、こういう運がよかったことが逆に悲惨なことになって楽しい。
グ帝にはもっと悲惨になってもらわないと。軍人何人無駄に死ぬかな。
440隻、単純に一隻百人いたとしても四万人以上、百人で済むわけないし、どれくらいの被害になるんだか。
Posted by at 2019年12月14日 21:09

もしかして小説家になろうが嫌いなんですかね
なろうの最後の更新されたのって
ここで半年以上前に掲載されてた4話?ちかく前のですけど

これだけ更新が進んでるなら
未完成では無く完成品なのでは?
完成してるなら、なろうで連続投下可能でもっと先まで掲載できるのでは?

なろうの更新の大半が、書籍関連とかの何か買って欲しい情報の時だけ投下してるイメージですけど

なろうは宣伝のために投下してるだけとかですか?
そういうのってなろうの規約的にいいですか?
Posted by at 2019年12月24日 23:39
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