リーム王国 王都ヒルキガ
王城において、国王バンクスは城の西側を見る。
平野部に作られた基地。ムーの飛行場をグラ・バルカス帝国が基地として拡張し、鉄鳥が多く並べられている。
ムーの航空機を遙かに超える大きさ。
リーム王国のワイバーンはもちろんのこと、パーパルディア皇国のワイバーンロードですら遙かに超える大きさ、そして速さ。
さすがは神聖ミリシアル帝国に土を付けた事のある帝国。
攻撃機が整然と並ぶその姿は力強ささえも感じた。
しかし、一抹の不安が残る。
「本当に大丈夫だろうか……」
相手はあの日本国である。
列強パーパルディア皇国は強かった。
第三文明圏に位置するとはいえ、文明圏内外を問わず、付近の国を統合し、南方方向にも領土的野心を向けていた。
当時のリーム王国内では、パーパルディア皇国がこのまま南進を続けてアニュンリール皇国という広大な地域を支配している南国を降した場合、神聖ミリシアル帝国を規模の上で超えると試算されており、やがて規模の経済で潤い、技術革新が続いた場合は神聖ミリシアル帝国に肉薄する可能性さえも指摘されていた。
皇国の強さに上限は無いかのように思われていた。
しかし……日本国の登場によって地図は塗り変わる。
皇国は支配地域にいた日本人を他国民と同じように……旅行者を並べて虐殺した。
日本の逆鱗に触れた皇国は敗戦につぐ敗戦……日本国の圧倒的軍事力で列強パーパルディア皇国の権威は地に落ちた。
本気で怒った日本国、パーパルディアの軍人に対する極めて効率的殺傷。
容赦は一切無かったと聞く。
「奴らは……本気で怒らせるとまずいのだ……」
しかし、彼は日本に弓を引こうとしている。
形式上敵対しないと表明しているが、ワイバーンによるパーパルディア皇国在中の日本施設に攻撃をすれば、もう言い逃れは出来ないだろう。
きっと烈火のように怒る事は目に見えている。
もしも、グラ・バルカス帝国が……日本国に勝てなかったらリームは終わるだろう。
もしかすると、自分の代でリーム王国は終わるかも知れない。
しかし、日本に肩入れすると、世界連合艦隊を降したグラ・バルカス帝国から敵対国家と認定される。
帝国はいずれ神聖ミリシアル帝国さえも支配し、世界は支配されるだろう。
日本の国力ではグラ・バルカス帝国を降す事は出来ない。
バンクスの思考は巡る。
「陛下、ここにおられましたか」
「おお、リバルか」
王下大将軍リバルが国王に声をかける。
「今回の戦、局地戦ですら負ける訳にはいかぬぞ。
大局的に日本では帝国に勝てないと言うことは理解できる。
しかし、リームは日本に近すぎる。局地戦でも負ける訳にはいかぬのだ」
「陛下、解っております。
グラ・バルカス帝国は絶対に日本国に遅れを取ることはございません。
陛下にご報告をと……グラ・バルカス帝国本土から間もなく爆撃機と呼ばれる都市殲滅兵器が到着いたします。
パーパルディア皇国を攻撃した日本の爆撃機とは比べものにならないくらいに大きく、そして高く飛べるようですぞ。
すべてがこの基地に降りるわけではないそうですが」
リバルは西の空を指さす。
晴れ渡ったそらに、点が多数出現した。
タグ:日本国召喚
→ ひょっとして、形式上?
地力もないから他国と違って存続そのものが無理そうだし
他国の言語を機械翻訳した時によく起きる重言みたいな感じだね
「王下」と「直轄」を重ねた意味の軍組織なら日本語だと「近衛」へ読み替えた翻訳になるんじゃないかな?
用兵の分類だと中世風ファンタジーなら貴族で構成された騎士団と近衛軍みたいな使い分けと理解できるけど
なんとなく王を僭称する語彙の足りない田舎者が無理してえらそーな名前を付けたみたいな痛々しさを作者の狙って書いたのか微妙に判断できないね
それゆえ、どちらが本当に強いのかは判断のしようが無く、それが彼らの不幸だった。
しかし……リバル、なぜあそこまで自信満々に、グラ・バルカスが勝つと言い切れるのか。何か裏が有りそうな気がしますね。
攻撃を敢行すれば、が違和感が少ないかと
アメリカのB-1とかB-52とか分かりやすいのがあれば別だけど。あとニミッツ級とか。