◆◆◆
グラ・バルカス帝国連合艦隊 旗艦 グレードアトラスター
「巡洋艦メルト、巡洋艦ダウン轟沈!!戦艦トーガーナ被弾!!」
報告員が叫ぶ。
あまりにも慌ただしく、まさに戦場。
軍神カイザルは額から汗を流す。
敵誘導弾はすでに途切れたと思っていた。
しかし、大規模攻撃によってすでに50隻以上が轟沈されている。
敵は何処から撃ってきているのか未だ検討がつかない状態。
考えられる解は、敵が十分な弾薬を準備していたということ。
空母はすべて失い、上空支援はすでに無かった。
「飛翔体が我が艦へ向かってきます!!!」
悲鳴のような声がした次の瞬間、猛烈な閃光が目に入り、耳を劈く爆音が響き渡った。
「うおぉぉぉぉぉ!!!」
前方から煙が上がる。
「前部第1砲塔被弾、使用不能!!なお、火災発生のため消火活動実施します!!」
凄まじい爆発だった。
世界で最強たる砲、46cm主砲の直撃にも耐えうる装甲を持つ主砲砲塔(第1砲塔)が、1撃で使用不能になる。
弾薬に引火したら終わりだ。
「この……グレードアトラスターの主砲が!!!」
艦長ラクスタルは吼える。
数多の攻撃を防いできた圧倒的な装甲。
前世界においても、今世界においても圧倒的で信頼できる装甲。その最も厚い部分の一つである主砲砲塔がたったの1発で使用不能になった事実に彼は衝撃を受ける。
グレードアトラスターにこれほどのダメージを与える攻撃。
確かに巡洋艦ならひとたまりも無いだろう。
グレードアトラスターは3つある主砲の1つが使用不能となり、黒煙を上げる。
さらに1発が艦体側方に突入し、大爆発と火災が発生した。
消火のために動き回る兵達、皆必死だった。
「神聖ミリシアル帝国の空中戦艦が現れました!!外周艦隊が攻撃をうけつつあります!!」
連続した大規模攻撃、そして手こずった空中戦艦の参戦。
「もはや……これまでか……」
司令カイザルは目を瞑る。
敵の弾薬は十分にあるように思えた。加えて空中戦艦までもがいる。
これ以上の行軍は自殺と同じ。
艦は量産出来るが、兵は量産出来ない。
頭に撤退の文字が浮かぶが、なにもせず、意地も見せず、負け犬のようにおめおめと撤退など出来ぬ。
彼は決断する。
「これより、グレードアトラスターはナハナート王国へ突入し、砲撃を実施する!!
旗艦以外はすぐに転進し、ニューランドで補給を行い、本国に帰還せよ!!!」
カイザルの意地、特攻。
部下を巻き込んだ特攻は、後の歴史家の意見を大きく分けることになる。
命令はすぐに伝達された。
旗艦周辺に展開していた膨大な量の駆逐艦、巡洋艦はすぐさま転進を開始する。
旗艦グレードアトラスターの前、艦隊が二つに割れ、左右から転進し、引き返す航路をとる。
一隻のみ、グレードアトラスターだけが割れた艦隊の中心をナハナート王国へ向け、突き進み始める。
何度も被弾した艦は煙を上げ、手負いの猛獣はただ単身で突き進む。
カイザルはラクスタル艦長に話しかける。
「ラクスタル艦長、すまんな。言い訳はせぬ」
「構いませぬ」
会話はそれだけだった。
「報告します!カイザル将軍、第八八艦隊のみ命令を無視してついてきています。
再三に渡る転進命令を無視!!」
第八八艦隊、戦艦1,巡洋艦8隻、駆逐艦6からなる艦隊で、カイザルが若き頃所属し、輝かしいまでの戦果を上げ続けていた艦隊。
幸いにして対艦誘導弾が着弾した艦はいない。
艦隊司令、そして各艦長はすべて当時の部下だった。
「馬鹿……どもが……第八八艦隊は何と言っている?」
「こちらの命令を無視、問い合わせも応答ありません」
「帰るよう伝え続けろ。特別攻撃は我らだけで十分だ」
再三にわたる命令を無視し、グレードアトラスターと第八八艦隊、の計16隻
からなる艦隊は縦1列となり、単縦陣でナハナート王国に突き進むのだった。
タグ:日本国召喚
想像ですが、ミサイルでは砲塔装甲を貫通できたとは思えないので、衝撃で砲塔旋回機構が損傷して動かせなくなった、ということでしょうか
検討 −> 見当
HEAT弾頭なら2重区画にでもされてない限り大和クラスの装甲も貫通して内部機関にダメージを与えれる
旋回機構が壊れるほどの衝撃だと普通に46p砲発射の衝撃波以上になるわけだから
対艦ミサイルの炸薬量だとそこまでの威力はないので普通に装甲を貫通したんだと思う
火災って言ってるしな
砲塔は健在でも、衝撃で砲身が曲がったり、砲身内のライフリングが傷ついたりすれば射撃は不可能になります。
レイテ沖海戦でも武蔵が、空襲で砲口から爆弾の破片か機銃弾が入り込んで砲身内部が傷付けていた為、武蔵は生涯唯一の主砲射撃を行う前に、二門が使用不可で全門射撃が不可能になっていたそうです。
また、砲身が長ければ射程も貫通力も増しますが、自重で砲身に歪みが生じる為、精度が低下します。50口径38.1cm砲装備のイタリアのヴィットリオ・ヴェネト級はその問題に悩まされていたとか。
HEAT弾は船体には効かないよ、中が狭い砲塔には効くけど
第88艦隊じゃなく、第88任務部隊か第88打撃群の間違いなのでは?と思いました
特攻って突撃攻撃だと思ってたが
漢字間違えてたな…
特別攻撃、特攻…そうだよな
第一砲塔が使用不能になったという事は、第二砲塔の砲身は爆発でダメージを受けているのでは?
武蔵のように砲口から破片が入り込んでいる可能性大
それに気付かないまま発砲すれば・・・
後世の資料:
「艦橋にいた艦長や砲術長は、第二砲塔から発射された主砲弾が50mほど先の海面に着弾した事に違和感を感じた。その直後、主砲発令所から二番砲塔内で火災発生の報告が入った。
この火災原因の一つとして、砲弾を前方へ飛ばすはずの圧力が砲塔内に逆流した可能性が有力視されている」
場合によっては弾薬庫に注水せざるを得ない事態にもなりうる。
もし、内部で火が燻っている状態で航行し続けていたのなら、タイタニック号と同じに本来は充分耐えられる衝撃であったのに、隔壁が敗れて浸水という事も。
グレードアトラスターは日本に鹵獲されて近代化改修を受ける。
損傷した第一砲塔は撤去してVLSを設置、イージスシステムも搭載して最強兵器に生まれ変わる。
言わせたいが為の大和型かと思ってたのにww
那覇…泣かせるなぁもう!
まず、大きすぎる!
そして46cm砲の弾薬と砲身! ラ・カサミの30.5cm砲でさえ、現行の工業規格に合わないから新造できなかったんだよ
それに砲身、平時でさえ自重による歪みで管理が厄介、これが実弾射撃を行えば摩耗もあって、頻繁に砲身を交換しないといけない
(それだけの余裕があるなら、自衛隊はF-15でなくF-14を採用していたと思う)
まあ、艦体の大きさと頑丈さは魅力だから、信濃のリメイク版になるか?
22世紀アメリカと戦争しないかなー
1世紀先の現実国家間戦争はまだどのF自でも見たことないから、チャレンジしてみてほしいぞ
近代化しても主砲だけは残しましょう。
できれば艦全体のシルエットもあんまり変わらないように。
第二次大戦で戦艦で戦果をあげてたアメリカでは、湾岸戦争くらいまで戦艦を使い続けてたんだよね。
彼我の兵器の性能差が大きく開いているときには、戦艦は地上への艦砲射撃ができるから、その威力は絶大だよねー。
「はいーっ!一番砲塔、火薬庫注水ーっ!」