2020年07月29日

第105話 軍神と呼ばれし者P7

◆◆◆

 ナハナート王国西方海域 日本国海上自衛隊第4護衛隊群 旗艦かが

「敵艦隊、大部分が転進、戦艦2隻を含む16隻が突っ込んできます!!このままでは砲撃戦に突入します!!!」

 坂野は胃が痛くなる。
 戦艦も相当数攻撃したが、残っていたようだった。

「空自は?」

「現在弾薬補給のため、本土に戻っています。
 本決戦には間に合いません!!!
 また、潜水艦も本海域にはおりません!!」

「大和型に準じる艦を含む艦隊16隻に、砲撃戦?冗談じゃ無い」

 愚痴が出る。
 あと、対艦誘導弾がたったの20発あれば敵をある程度無力化出来るだろう。弾が無いのが口惜しい。
 敵とは70年の技術格差があるとはいえ、砲撃の威力は敵のそれに比べると、我が方は豆鉄砲といっても差し支えない。
 大和型はすでに着弾があったようで、黒煙を上げていたためにミサイルが自動的に他の目標に向かった可能性が高い。
 撃沈していなかったのが悔やまれた。

 大和型の砲撃など、1発食らえばスクラップになってしまう。
 しかし、一度離脱すれば、ナハナート王国は基地もろとも焼き払われるだろう。
 戦艦の艦砲射撃は陸上構造物にとって、破滅的な威力をもつ。

 彼は覚悟を決める。

「司令、神聖ミリシアル帝国からグラ・バルカス帝国に語りかけている電波を拾いました」

「傍受しろ!!艦橋で音声を流せ」

「了解!!」

 アナログ電波を受信する。

『ガ……ガガガガ……グラ・バルカス帝国の諸君、私は神聖ミリシアル帝国、空中戦艦パル・キマイラ艦長、メテオスという』

『いつかの馬鹿者か、今頃何の用だ?』

『フフフ……威勢が良いねぇ。
 私は借りを返しに来たのだよ。
 大部分の兵は逃げたようだねぇ。部下が逃げたから単艦で突入かい?
 その意味の無い行動は、全く理解に苦しむ』

『逃げたのでは無い、作戦だ。戦場でいつも語りかけてくるお前の行動が、全く理解に苦しむ』

『フフ……つれないねぇ。
 もう君たちは謝っても許してやらないよ。
 パル・キマイラは君たちを撃滅する事に決めた。
 特にグレードアトラスター。君たちだけは絶対に逃がさないよ』

『威勢が良いな。紙のような装甲で良く言う。せいぜいまた、たったの1発で撃沈されんよう気をつけろよ』

 無線が終わる。

「……戦場とは思えんやりとりだな」

「はい、メテオス艦長は、軍人では無いそうなので」

「なるほどな、しかし助かったかもしれん」
 
「そうとも言い切れません。これを見て下さい」

 坂野は敵の位置を示すモニターをのぞき込んだ。

「ん?これは……」

 空中戦艦の方向に、15隻が向かう。
 そして、1隻だけが単艦でさらに速度を上げてこちらに向かってきていた。

「空中戦艦は、海抜高度を300m以上に上げる事が、何故か技術的に難しいようです。
 加えて時速200kmと快速ですが、艦体が重いため、転回や加速が非常に遅いという弱点があります。
 グラ・バルカス帝国の15隻は散開して空中戦艦に向かっている。
 戦艦の主砲クラスであれば落ちると前回の戦いで判明したため、おいそれと射程距離に近づかない。
 結果、敵の旗艦と思われるグレード・アトラスターのみがナハナートへ向かう。
 敵空中戦艦は前回中心のグレードアトラスターを狙って撃沈されたため、他の自分を撃沈しうる艦の上空を易々と通過はしないでしょう
 このままではあと一時間弱で砲撃戦に突入します!!」

「大和型に類似する艦と戦わなければならないのかっ!!!私が艦隊司令の時にっ!!なんという偶然か」

 海上自衛隊第4護衛隊群
 第8護衛隊 きりさめ すずつき しまかぜ ちょうかい
 第4護衛隊 いなづま さみだれ さざなみ かが

 は、ナハナート王国の邦人を守るため、戦闘海域に向かって突き進むのだった。


タグ:日本国召喚
posted by くみちゃん at 22:54| Comment(20) | 小説
この記事へのコメント
>>ナハナート王国の邦人を守るため

実質はそのとおりなんでしょうが、名目上はナハナート王国と住民も守る対象になります
Posted by at 2020年07月30日 04:45
陸自の地対艦ミサイルがまだ残っているはずですが?
Posted by タカ at 2020年07月30日 05:47
>>彼は覚悟を決める。
>>「司令、神聖ミリシアル帝国からグラ・バルカス帝国に語りかけている電波を拾いました」

この部分はやや省略されている感がありますね
坂野がメテオスに参戦を依頼して了承されたのか、メテオスが独自の判断で参戦してきたのか、わかりにくいように思われます
Posted by at 2020年07月30日 06:52
>> 敵空中戦艦は前回中心のグレードアトラスターを

空中戦艦は前回、敵中心のグレードアトラスターを

でしょうか。
Posted by at 2020年07月30日 08:53
誘導弾が弾切れでも未だアスロックによる魚雷攻撃が可能なのでは?
Posted by at 2020年07月30日 11:49
これがしたかっただけやろ感だけどこういうの大好き
Posted by at 2020年07月30日 12:27
> 『ガ……ガガガガ……グラ・バルカス帝国の諸君、私は神聖ミリシアル帝国、空中戦艦パル・キマイラ艦長、メテオスという』

お前は旧作のデスラーかw
Posted by at 2020年07月30日 13:28
Posted by タカ at 2020年07月30日 05:47
状況からして、陸自の地対艦ミサイル部隊もすでにミサイルを撃ち尽くしているのでしょう。
おそらく書籍版ではそのことも語られるのでは。
Posted by at 2020年07月30日 17:06
アスロック系統の射程は初期型はブースター約10km+短魚雷約4〜6kmとなります。
後期型VSL使用とかのになるとブースター部分の射程が約20Kmくらいですね。

自衛隊で配備されている長魚雷になると速度で速度で射程が変わり40km〜50kmになります。

SM-2〜3〜も対艦攻撃が出来ます砲弾並みの威力は有り射程は70Km〜500Kmほどになります。
Posted by at 2020年07月30日 18:18
それにしても、潜水艦部隊は今どこに配備されているのでしょう。先遣隊撃破後の早期離脱は次の作戦に備えてでしょうが、敵の本隊迎撃に優先する目標があるとも思えないのですが。
Posted by at 2020年07月30日 21:37
更新、ありがとうございます。
日本の単純な圧倒的勝利では詰まりませんものね。
オーバーテクノロジーの日本をいかに無理なく窮地に立たせるか、その方がずっと難しい。
でも、先が気になる終わり方だと、待つのが辛いです。
次のなるべく早い更新をお待ちしてます。
Posted by at 2020年07月30日 22:38
みのろう先生お疲れ様っす。

Posted by at 2020年07月30日 12:27
まあ、そういう事でしょうな。
特殊な方法で戦艦が登場云々って話もありましたし、この辺りで自衛隊が苦戦するのは、プロット上動かせない事情になってるのではないかな。
Posted by ハインフェッツ at 2020年07月30日 22:50
> 大和型に類似する艦

いや、ここはハッキリ言ってやりましょう!
「大和モドキ」と!
Posted by at 2020年08月01日 15:01

なろうで

「ブログくみちゃんとみのろうの部屋 では、数話先行配信しています(不完全版)興味のある方は覗いてみてください。」

って書かれてるけど交信された最新話に
けど数話どころか軽くその倍以上先行してね?

先行しすぎてて、どこから読むか意味不明なんだが
数話っていうなら2話3話先行程度になるように、小説家になろうの方まとめて更新してほしい
Posted by at 2020年08月04日 03:58
レイテ沖海戦では敵空母が10数キロでも、命中なし。
回避行動したらこの時代は砲撃が当たらないんだよ、作者のさじ加減次第

大和の砲術関係者はエリートそろいです
Posted by at 2020年08月04日 21:37
4度目の「奇跡の一撃」は勘弁願いたい。
Posted by at 2020年08月04日 21:56
あの会話の仕方をみると、メテオスさんはデスラーよりガーゴイルさん寄りに見える。空中戦艦だしね。発掘戦艦も出ないかなー。
Posted by at 2020年08月07日 10:22
Posted by at 2020年08月04日 21:37
Posted by at 2020年08月04日 21:56

まあ、ふつーにECMで電波照準潰されてからの海自の逃げるフリでズリズリとナハナートに引き寄せられて陸自の対艦ミサイルが飛んでくる流れじゃないのかな?
みのろうさんも、なろうで陸自のミサイル部隊を忘れたわけじゃないと明言してたし。
Posted by ハインフェッツ at 2020年08月08日 16:24
Posted by at 2020年08月04日 03:58
6話しか先行してませんが?
Posted by at 2020年08月15日 19:31
Posted by at 2020年08月04日 03:58
数話の範囲ですが?
https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E6%95%B0%E5%9B%9E/
数回(すうかい) の意味
2、3回か5、6回程度の回数。
Posted by at 2020年08月16日 01:37
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