クルセイリース大聖王国 聖都セイダー
「早く!!早く聖王女ニース様に報告しなければっ!!」
たたきつけるような雨が降る中、騎士ミラは聖城テンジー城へ急ぐ。
降りしきる雨の中、ダチョウよりも顔や体が大きく、黄色い体躯を持つ陸鳥に乗り、駆け抜ける。
可愛い顔をした陸鳥は、日本人が見たならば古き良きロールプレイングゲームに出てくる黄色い鳥を思い浮かべるだろう。
城門を抜け、城に着く。
彼はベタベタに濡れた服を拭くこと無く、聖王女ニースの執務室に入室した。
「失礼します!!」
部屋に入ってすぐに資料を広げる。
これほど急いできたのであれば、重要な報告があるに違いない。
ニースは多くは聞かず、まずは資料に目を通した。
「なるほど……よろしい、許可しましょう。
貴方の日本国に関する報告書は、軍部ではもみ消されました。
まるで無かったかのように軍部は戦の準備を進めています。
平和的に衝突を止めるにはまずは相手を知ることです」
「ありがとうございます!!
では早速、シルカーク王国の日本大使館を尋ね、調整の後に私を筆頭として各部門のエキスパートを集め、日本国調査団を編成いたします」
「本来は隠密で行きたいのですが、国の重鎮達に認めさせるには、ある程度軍部も巻き込む必要がありますね。
私ではあなた方の行動に、国の決定権を握る王権の付与が出来ません。
使節団とはなり得ないので、あくまで今回の派遣は日本への調査団に留まります。
日本国が強かった場合、軍部をねじ伏せる強力な調査資料が必要となりますので、しっかりと調査をお願いしますよ」
「上手く事が進んだとして……一人私の知る人を調査団に参加させたいと思います。
各部門のエキスパートと共に、私の推薦する人物を一人同行させます」
「はっ!!承知いたしました」
彼等は戦争を止めるため、日本国へ調査団を派遣することを決定した。
◆◆◆
シルカーク王国 日本大使館
「ここが……シルカーク王国が恐れていた日本国の大使館か」
クルセイリース大聖王国の王族の使者という名目で、ミラは日本国の大使に面会を申し込む。
通常はシルカーク王国との良好な関係のために存在する大使館であり、他国の担当大使が交渉することはありえないが、準有事に近い状況となったため、実績のある朝田が担当することとなった。
日本国としては話し合いに来た者を断る理由も無く、会談が行われることとなった。
ミラは室内に入って辺りを見る。
質の良い統一された調光、室内の空気は外のジメジメとした空気と違い、涼しく、快適に制御されている。
「なっ!!!」
入口から少し進み、ドアの先、エントランスに大型のモニターが設置されていた。
モニターではDVDにより、日本国の紹介映像が再生される。
「これは……何だ!!このレベルの映像魔具を日本国は実用化しているのかっ!?」
所々に見える高度文明の形跡。
「シルカーク王国が敬意を払うのも頷ける。
日本国の秘密を探ってやる!!」
ミラは緊張しつつ、会議室に入室した。
タグ:日本国召喚
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ちょこぼ、ちょこぼー🎵
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ミラって男性だったのか。
名前からして女性かと。
あと「ミラ」は長周期変光星で有名なくじら座オミクロン星なので、すでに書籍版でグラ・バルカス帝国のシータス級潜水艦の名前に使われている。
護衛艦たかなみに撃沈されたアイツ。
簡単に記述してありますが、ミラは飛行艇を使用してやって来たわけですから、かなり大掛かりな旅になったはず。
2ヶ月後という回答期限前に飛行艇が来航したので、シルカーク王国では先制攻撃とみなして大騒ぎになったかも。
戦闘にならずに無事着陸して、シルカーク王国政府の許可を取ってから日本大使館に行った、ということになります。
急ぎの報告とは何だったのでしょうか
公式な報告書はすでに提出済みであり、その後軍部でもみ消された事を王女はすでに知っていました
このままでは日本調査までも中止になりそうなので、調査団の件について急いで王女の許可をもらおうとして計画書を持参した、ということかもしれません
機器含めてBDより安いし丈夫だし
「あいつら強そうだから戦争止めようぜ」
というためのネタ探しである。
軍王チームの
「あいつら弱そうだから侵略しようぜ」
と同レベルのバンゾック的思考…まぁ搾取で成り立つ国家だし、仕方ないネ。
PS1のほうのタクティクスやりてーわ。
魔法バンバン使ってスキル技とかも有って召喚魔法とかある初期のFFキャラ相手との自衛隊ってどうなるんだろうな?召喚魔法なら初めて戦車や戦闘機を易々と破壊されそう
いや、古き良きってメタ的なナレーションだけど、そこまでピンポイントで攻めなくてもw
おいちゃん心配だ。