夜 帝国ホテル 小会議室
調査団6名は小会議室を貸し切り、今日の出来事と明日の予定について会話する。
「よし、大丈夫。付近に人の気配はありません」
クルセイリース大聖王国側の会話は日本国に聞かれてはまずいと判断したミラは周囲を確認した。
生活調査員(仮)ニースが話し始める。
「正直、この街を見たとき、日本国がとんでもない国力と技術力を有する国である事が理解出来ました」
ニースの話しにシエドロンがうなずく。
「移動手段1つにしても、極めて効率的で速い。
今回乗ってきた飛行機、あれは我が飛空艦隊では全く捕らえる事が出来ない」
「つっ!!!」
飛空艦隊は、クルセイリース大聖王国の軍事的優位を支えてきた部隊。
そこに籍を置く歴戦の将、シエドロンの言は重い。
「アバドン殿、いたずらに日本国を刺激する事の無いようにお願いしますぞ」
「わ……解っている!!
技術力が高い事は解った。
しかし、軍は人間が運用するものだ。
我が精鋭魔戦騎士団も、歴戦の猛者が多い。
騎士団のみならず、魔法兵団も、最近は今までの数段上の武力を得た。
私は魔戦騎士団長の立場として、日本国の武力見ずに、軽々しく負けるかも……などという言を吐くことは出来ない!
もちろん国力が大きいことは東京の街を見れば理解出来る。
決して舐めてかかることはない」
ミラはテタルの方向を向いた。
「テタルさんは日本をどう見ますか?」
魔法技師テタルに意見を求める。
「日本国は……完全に我が国とは異なる技術体系で国が成り立っています。
街を高速で走る車、そして電車と呼ばれる大規模高速移動手段……。
そのどれもが、全く魔力を検知出来ません。
魔力を効率的に使いすぎて、外に漏れる魔力が無いため検知できないという可能性も考えましたが、そんな事はあの古の魔法帝国でさえ無理でしょう。
技術体系が全く異なるので、強さの上限が見えません」
各々が日本国について考察し、意見を交わす。
「明日からこの国をしっかりと見ていきましょう」
ミラの言に皆同意した。
会合が終わり、各々が部屋に戻る。
タグ:日本国召喚
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マンガの「日本国召喚」から読み漁り、今では次の掲載が愉しみでなりません。執筆されている切り口が多方面に増えて来て、これからの展開が愉しみです。
いろいろとお忙しいことと思いますが、お体には気を付けてください。ご活躍愉しみにしております。
独自発展なのか、魔帝に飛空艇が無かったのか、実はどっかの異世界技術なのか。
調査団は全員で9名では?
建国神話のほうが前だとすると、魔帝時代からある世界最古の王国ということになります
建国神話のほうが後だとすると、魔帝転移後にヤマタノオロチもどきが暴れたことになります
国の意見が割れてて戦力は日本より劣るし戦争になるか微妙だが今更この国いる?みたいな微妙な国やな。物語にどう絡むかは気になる。
後の外交的配慮から日本側は手控えるかも知れませんが、日本の外交組がア皇に行った時の用心ぶりと比べると、ここが敵かもしれない相手の懐の内ということをまだよく理解してなさそうですね。
準敵国への圧力外交団と混成視察団の意識の違いと言ってしまえばそれまでですが。
3人はね「転校」しちゃったの