2022年05月29日

第131話世界の防衛線2P2

「ニース様、失礼ながら、ニース様の派遣した者達は幻惑魔法にかけられた可能性が多大にあります。
 まず、シルカーク王国と接触した際、国籍不明の国が、我が国で300年前に使用していた程度の大きさと速度を有する軍用飛空艦を運用していた事を確認しています。
 これには主立った武装も無く、空の機動力は取るに足りない、輸送用程度にしか使えない艦です。
 シルカーク王国との接触時も、迎撃にはワイバーンが上がってきております。
 仮に日本なる国がシルカーク王国へ駐留支配していたとして、国籍不明の航空戦力が来た際、自らの航空戦力を使用せずにワイバーンをけしかけるでしょうか?」

 彼は続ける。

「軍用機を運用している場合、当然基地があると考えるのが自然であり、同基地を脅かす航空戦力が来た際に、ワイバーンをけしかける。
 その時点で航空戦力は取るに足りない事を証明しています。
 それに……数年前の漂流者からの記録によれば、新世界の東部に位置する部分は第3文明圏と呼ばれ、同地域は世界の5大列強国の一つ、パーパルディア皇国が多大な影響力を持つ。 ニース様の派遣した者達の記録による日本国なる国家の位置は、そもそも群島で原始的な生活をする原住民が住んでいたとのこと。
 たったの数年で強力な国が出来、それが同地域を支配する列強国を超える存在になる。
 それこそ現実的ではなく、幻惑魔法にかけられていたと考えるのが自然です。
 そもそも、日本国なる国が本当に存在するのかも怪しい」

 場が静まる。

「第3文明圏と呼ばれる地域に、パーパルディア皇国なる列強国が居座り続ける事が出来たという事は、この国は他の文明圏からの侵攻を退ける力を持っているという事になります。 そして我が国の飛空艦隊はこのパーパルディア皇国を圧倒する力を持ちます。
 北西新世界の開拓は我が国のさらなる繁栄を約束し、我らが名は英雄として歴史書に大きく記される事となるでしょう」

「しかし、幻惑魔法などではなく、本当に日本国が圧倒的な力を有していたならば、我が国は亡国の道をたどります。
 さらなる調査団を派遣し、真実が判明した後でも遅くは無いのではないでしょうか?」

 聖王女ニースは必死で食い下がる。
 自分の目で見てきた物は、確かなものであった。
 幻惑魔法の類いでは決して無い。
 王家の者として、臣民を守る義務がある。
 決して引くわけにはいかない。


タグ:日本国召喚
posted by くみちゃん at 00:38| Comment(5) | 小説
この記事へのコメント
>自分の目で見てきた物は、確かなものであった。
ニースは「自分の目で見てきた」と言えないところが苦しいですね
Posted by at 2022年05月29日 05:44
うぬう、20世紀初頭のシベリア出兵とよく似た時代背景があるようですねぇ
Posted by at 2022年05月29日 16:13
ヘリが小さく見えるのも、主力がワイバーンに見えるのも幻覚魔法である可能性がある

これらが幻覚魔法では無い場合は第三文明圏に高度な幻覚魔法を使える国が存在しない可能性が高く、第1文明圏が幻覚魔法で介入していると考えるのが妥当だろう
Posted by at 2022年05月31日 15:08
>たったの数年で強力な国が出来、それが同地域を支配する列強国を超える存在になる。
>第3文明圏と呼ばれる地域に、パーパルディア皇国なる列強国が居座り続ける事が出来た…

この発言からだけでは、調査団報告書に日本がパーパルディアを破ったことが記載されていたかどうかは不明です。
Posted by at 2022年05月31日 17:30
そもそも幻惑魔法でそんな事が出来る程なら原住民しか居ないというのが他勢力に侵攻させないための幻惑魔法による欺瞞の可能性の方がよっぽど高いだろうにw
Posted by at 2022年06月10日 05:44
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