シルカーク王国 王都タカク サルカ城
小高い丘に作られたサルカ城、2重防壁に囲まれ、鎧を着た兵達が走り回る。
まもなく訪れる可能性のある『戦争』に、兵達は緊張感をもって準備を進める。
同城の来賓室、同部屋の窓から空飛ぶ船が見えた。
「皆様、クルセイリース聖王国が来ました。
あれが彼らの飛空艦です」
シルカーク王国外務担当のトップ、外務郷カルクは来賓室で、事前に座っていた者達に説明する。
当初、砲艦外交で従属を迫られ、2ヶ月の猶予を言い渡された。
相手国は日本国のヘリコプターよりも大きな乗り物でやってきた。
高度文明を持つ事は明らかであり、それほどの文明を有しているにも関わらず、どの文明圏にも属していなかった。
小国たるシルカーク王国はこのままでは蹂躙されてしまう。
たったの2ヶ月の間、彼は愛する国を守るために奔走する。
中央世界へ圏外文明国侵攻を訴え、神聖ミリシアル帝国が動き、日本国が重い腰を上げる事となった。
日本国……恐怖のグラ・バルカス帝国大艦隊を葬り、ムー大陸から帝国陸軍をたたき出した国、カルクは日本国の自衛隊派遣の決定を聞いた瞬間、国が救われたと歓喜し、涙を流した。
今、当初は恐怖で迎えたクルセイリースの大使を、今は余裕をもって出迎える事が出来る。
彼はとてつもなく長く感じた2ヶ月を振り返りながら、来賓室の者達を見渡す。
フカフカのソファーには、
○ 日本国外務省 朝田
○ 海上自衛隊第4護衛隊群 海将補 平田
○ 陸上自衛隊シルカーク王国派遣混成団長 大内田
○ パーパルディア皇国対圏外文明国防衛艦隊司令長官バイア
○ ワイバーンオーバーロード竜騎士団長 ハムート
他、防衛の要となる……我が国を救うであろう者達がいる。
本来であれば、シルカーク王国のみで相手に対応するところではあるが、未知なる国の砲艦外交という事もあり、連合国で対応する事としていた。
飛空艦が練兵場に着陸する。
部下を引き連れ、軍外交官のカムーラはサルカ城へ向かうのだった。
タグ:日本国召喚
正式には「クルセイリース大聖王国」なのですが、余裕を見せるために(または腹をたてていたので)故意に「大」を省いたのでしょう
ミリシアル動いたっけ?
権原を現地の担当者にすれば、文民統制も維持できる。
そうでないと、集団的自衛権を背景にした恫喝外交を、現地国の担当者が個々の案件でしでかさないとは限らない。
間に各大陸の公式な勇者を挟むんだ。
東京拘置所でロウリア製の銅剣(※銃刀法に適合するよう加工済み)と歪な形状の金貨が入った袋を領置、ロウリア国王を訪れた勇者に下賜される。
日本は魔導テロに脆弱な可能性が大きい事を忘れてはいけない。
集団的自衛権はダメだ。必ず、日本政府の息の掛かった王侯貴族や彼ら直属の官吏を担当者にして、復代理人に現地で国境横断的に活動してる勇者か誰か一身専属の強大な力を持つ哲人を置いて、権限をボトルネックにして、日の丸の旗が濫用されないようにするんだ。
そしてなるべく、復代理人が日本国を理解して、現地勢力との折衝に当れるように教育する。
ロウリア国王が任じた魔王討伐の勇者、これが相応しい。
もしフィルアデス大陸でもそれが必要なら、フェン王国の剣王か、パ皇の皇帝ルディアスから下命させたら良い。
勇者は、王様に会いに行くもんだ。