大円卓には
○ 日本国外務省 朝田
○ 海上自衛隊第4護衛隊群 海将補 平田
○ 陸上自衛隊シルカーク派遣混成団長 大内田
○ パーパルディア皇国圏外文明国防衛艦隊司令長官 バイア
○ パーパルディア皇国ワイバーンオーバーロード竜騎士団長 ハムート
○ シルカーク王国外務郷 カルク その他幹部達
が着座していた。
シルカーク王国外務郷カルクが低い声で問う。
「して……カムーラ殿、今日はどういったご用件で来られたのか?」
カムーラは湧き上がる屈辱感に耐えながら頭を下げる。
「国の方針が変わりました。
私は和平交渉のために参りました」
静まりかえる会場
「ハッ……ハハハ……ハーッハッハッハ!!笑わせてくれるワッ!!」
パーパルディアの将バイアはカムーラを見下して大声で笑う。
「前回の会議の威勢は何処へ行った?お??
我ら連合艦隊に貴国の艦隊が大敗し、大打撃を被り、前線基地も大きな損害を負った。
このままではとても勝てぬと思って和平に来たのか?
貴国の戦力はあれが全てではなかろうに。
早々に我らの強さを悟ったという事かぁ?」
彼はさらに煽る。
「尻尾を巻くのが早い国だなぁ。我が国が降してきた蛮族でも、もうちょっと骨があったぞ!
フアーッハッハッハ!!!」
シルカーク王国陣営の顔は曇り、日本国の者達は苦笑いをする。
一方カムーラの顔は渋い。
日本国は強い、このような作戦を取らざるを得ない程に。
栄えあるクルセイリース大聖王国の軍外交が頭を下げなければならない程に。
カムーラの手は湧き上がる屈辱に震える。
シルカーク王国陣営からすると、パーパルディア皇国のあおりによって和平への道が閉ざされては困る。
どういう条件なのか、話だけでも聞きたい。
クルセイリース大聖王国と日本国。敵国であるはずのこの2国の考えは、奇跡的にも共通点があった。
『クルセイリース大聖王国へ打撃を与えたのはお前ではない』
と……。
カムーラは国旗の入ったファイル入りの書面を日本国へ手渡した。
日本国のみに手渡したのは、彼の僅かな抵抗だった。
我々は、シルカークやパーパルディアが原因で侵攻計画が頓挫した訳では無いと……日本国の影響によるものであると……。
蛮族と見下していたパーパルディア皇国からあおられたため、屈辱で手の震えが強くなる。
「これが我が国の考えです」
同文章は長々と記載されていたが、要約すれば下記のとおりとなる。
○ クルセイリース大聖王国とシルカーク王国及びそれを支援する国々(日本国、パーパル ディア皇国等)は相互不可侵条約を結ぶ
○ 紛争当事者の代表者をクルセイリース大聖王国の西部の都市ワカスーカルトへ招き、調 印式を行いたい
○ 我が国の和平への意思が本物である事を示すため、シルカーク王国、パーパルディア皇 国及び日本国艦隊も調印式に招きたい
旨が記されていた。
また、ワカスーカルトに決定した経緯として、都市の歴史が記されて格式の高さを出そうとしていることが伺える。
つまりクルセイリース聖王国としては、都市への砲撃が届く箇所での調印式を行う事により、聖王国が本気であるという事を伝えたいようであった。
外務郷カルクはすぐにでも調印したい気分に駆られた。
これが調印されると、国が滅亡の危機から回避される。
しかし解せない。
「いったいどういう風の吹き回しだ?」
文章を日本から受け取ったカルクはカムーラに問う。
「国の方針が融和路線に変わったのです」
「先の交渉との差が激しすぎる。クーデターでも起きましたか」
「いいえ、ただ詳細は申し上げる事が出来ないが、この文章は本物です」
怪しさを感じながらも、カルクは文をよく読むことにした。
「持ち帰って検討する。
後日連絡する」
「解りました、結果が出るまでシルカーク王国で待機いたします」
外交文章(偽)は、クルセイリース大聖王国その他の国々で検討される事となった。
タグ:日本国召喚
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→外交文書(偽)
クルセイリース大聖王国 → シルカーク王国
漢字を拡大してよく見てください
日本となんなのだ!?
パ:んー?オレらマブダチって奴よ。(注:日本は何とも思ってませんw)
ふざけました。スンマセン。
防衛省はAIに仕事をさせよう。
あと他の人も指摘していますが、「文章」ではなく「文書」ですね。
国章のじゃね??