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クルセイリース大聖王国 西部軍事都市ワカスーカルト沖合
パーパルディア皇国対圏外文明国防衛艦隊 120門級戦列艦ジャスティス
「まもなくワカスーカルトの港に入ります」
艦橋に報告が上がる。
「ついに……この時が来ましたな」
艦長ガーラスは司令長官バイアに話しかけていた。
「うむ、我らに屈する国の光景、何度見ても良いものだ」
列強パーパルディア皇国魔導戦列艦隊は風神の涙により、帆に風を受け、ワカスーカルト港へ向かっていた。
上空を見上げると力強い竜が5騎、新型竜母から飛び立ったワイバーンオーバーロードが警戒にあたる。
万が一、皇国艦隊が攻撃を受けた場合、すぐに魔導戦列艦隊が猛烈な砲撃を加え、都市を焼き払う手筈となっていた。
ガーラスはふと沖合を見る。
遙か先には、1隻の鋼鉄の艦が海に見えた。。
日本国海上自衛隊イージス艦 ちょうかい。
「7km離れているとは思えない大きさですね」
「もしもあれが敵側だったらあの1隻で我が艦隊すべてを凌駕する大戦力だ……日本国が味方につくと、これほどまで気持ちに余裕が出るものなのか」
現実は凌駕というレベルの差ではない。ともあれ、味方に組み入れた日本国との行動は、すさまじいまでの安心感を彼らに与えた。
戦争は常に死の危険性が伴うもの、それは列強国と文明圏外国家でもある程度の被害を受ける。
しかし、日本国が味方につくというのは、別格の安心感があった。
戦争にいくというよりも、観光に行くという方が心情的には近い。
敵ではなくて、良かったと心底ほっとする。
様々な者達がそれぞれの目的を追い求める中、艦隊は港へと入港した。
■ クルセイリース大聖王国 ワカスーカルト防衛支部
「あれがパーパルディア皇国の戦列艦か?確かに大きな戦列艦だ。しかも船速が早い」
ワカスーカルト防衛長官エル・ガンエンは冷静に分析する。
彼は続けた。
「さすがは列強国……と言いたいところだが、あれなら飛空艦隊で何とかなるだろう。
問題はあれだな……」
沖合を睨む。
彼は傍らに立つ幹部に話しかけた。
「本当にあれは7km以上離れているのか?」
電磁レーダーによって計測された距離は、どう考えても見た目と合致しない。
「間違いありません、日本国の戦列艦です」
「むぅ……」
大きい。いや、大きすぎる。
「これほど離れていて、あれほどの威容を放つとは……。
飛空艦隊の敗れた相手か……。軍王様が懸念されるのも理解出来る。
奴らの主力は?」
「約150km西側の沖合に待機している模様です」
クルセイリース大聖王国軍は地上及び飛空艦、そして離島等に設置された計測機器等、あらゆる情報活動を通じ、日本国護衛艦隊の位置を把握していた。
「警戒心が強いな。艦隊の展開範囲は?」
「7隻が相当な間隔をもって展開しています、しかし展開範囲は10kmの円状の中に入ります」
エル・ガンエンは不気味に笑う。
「軍王様に報告、座標を送る事を忘れるなよ」
「しかし、軍王様は何をなさる御つもりで?直径10kmの円状範囲にいるかどうかを報告しろとは」
「解らぬ、我らの常識では計り知れぬほどのお方だ、しかし国民の事を誰よりも考えておられる器の大きなお方だ」
エル・ガンエンは遠い目をする。
彼は続けた。
「ところで、攻撃準備は出来ているな?」
「はっ!!すべて完了しております!!」
部下は自信をもって答える。
「では、外務担当の合図を待った後、殲滅的総攻撃を行う……茶番だがな」
攻撃の準備は進む。
タグ:日本国召喚
イキリパ皇、なんかかわいいw
オバロ運用可能な竜母はヴェロニアだけという設定だったので、ヴェロニアを派遣しているか、または同じ機能をもつ別の竜母を建造・派遣したことになります。
数年前に日本に喧嘩売って実質滅ぼされた事を棚に上げすぎありません?
普通に考えてうちはアレに喧嘩吹っかけたんだなーみたいな感想になると思うのですが
それか再び敵に回したりせずに味方で良かったみたいな感じの言い回しになるんじゃないかと