軍王は思考を止めて目を瞑った。
神通力の使用を先祖に詫びる。
拳を天に向けた。
上を向く軍王の顔は晴々としていた。
「古代の掟よりも、眼前の脅威を取り除く。それが軍王たる私に課せられた使命である!!
聖王国臣民を繁栄に導く使命が私にはある!!!
すべては聖王家のために!!
すべては臣民のために!!
すべては公のために!!!
我が決定に一片の悔いなし!!」
軍王は誰もいない部屋で大声を張り上げる。
強く拳を握りしめた。
「メナスはいるかっ!!!」
隣の部屋まで聞こえる大声に、メナスはやってきた。
「……軍王様、ご決断を」
ローブの下にはイヤラシい顔があった。
「神通力の使用による副作用の可能性はどう考えている?」
「神通力は大地より無限にあふれ出ています。
神々の大いなる遺産が地下に眠っているとしか思えません。
無限の神通力は、文字通り無限。
大量使用をしたとしても、すぐに次の大魔法が連発出来るでしょう。
副作用など無い、まさに万能なる力なのです!!
クルセイリースは神に守護された国としか思えません。」
「……そうか、ではこれより国家級敵国殲滅魔法を使用する。
目標は沖合に展開中の日本国艦隊だ!!!」
「承知しました……2発目として、日本国には使用しないので?」
「敵国の正確な座標が解らぬ。それに、関係ない民を巻き込んで消滅させることもあるまい」
「……ふふ…甘いですね。
私は大魔法の補助につきましょう。
この大いなる魔法は神の魔法。かつて名を馳せた古の魔法帝国、ラヴァーナル帝国でさえもこの大魔法を防ぐ事は出来ず、国ごと尻尾を巻いて逃げ出した」
「今回あふれ出る神通力を使用するとはいえ、触媒となる「王家の秘宝」と「軍神の指輪」は相当に古く、補修に人の手も加えられている。
使用される神通力の出力も、神の使用した星堕としに比べると遙かに低いため威力は相当に落ちる。
しかし……」
「はい、艦隊を全滅させるなど造作も無い事」
「……儀式を開始する!!軍神の棟へ行くぞ!!!」
軍王ミネートは、聖王国を護るため、軍神の棟へ向かうのだった。
タグ:日本国召喚
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何いってんだコイツ?攻めたのはお前からだし和睦しようとした敵国を騙し討ちしようとしたのもお前だろ???
作者は続ける気あんのか?
世紀末かな?
まあ世紀末みたいに殺し合いしてるけどさ