焼け焦げた鼻をつく匂いが離れていても伝わる。
『敵認定!!攻撃を開始します!!』
「パト・イナリ分隊から攻撃許可が出ています!!
「許可する。各時敵がどんな動きをするのか、しっかり見て確認しろ!!」
通常、狙撃で遙か離れた化け物を狙うこと等出来ない。
しかし、クルセイリース大聖王国の名工の作りし魔導狙撃銃はその名のとおり、魔力によって弾道を導き、銃として見ると信じられない程の射程を手にしていた。
ダルサイノから西側の山にいたパト・イナリ分隊が、狙撃を開始する。
夜の山に銃声がこだました。
着弾補正を行うためだろうが、狙撃に曳光弾が使用された。
夜の山を多くの弾が飛び出し、化け物に向かう。
やがて、レーザーを発した化け物の頭に多くの弾が命中し、そのうちの1発が片目を潰す。
「ギョアアアアァァァアァツ!!!」
化け物の頭の一つはのたうち回り、光が飛んできた山を睨み付けた。
「まずいっ!!」
化け物の目からは再度赤いレーザーが発せられ、パト・イナリ分隊のいた山を粉砕する。
山に大きな貫通痕を残し、土煙が上がった。
「パト・イナリ分隊通信途絶!!」
「な……なななっ!!山ごと粉砕したぞ!!」
「化け物めっ!!」
常軌を逸した攻撃力、ダルサイノは一瞬で決断した。
「目だ!!目を狙うぞ。
各分隊に攻撃部位を割り当て、光球魔法を空に使用し、奴の注意が閃光球に集中して動きが鈍った瞬間に一斉射撃ですべての目を同時に潰す!!
曳光弾は使うなよ!!」
「りょ……了解!!しかし相手は動く目標、それをすべて同時にたったの1発で打ち抜くなんてむちゃくちゃです!!」
「ああ、むちゃくちゃだ……むちゃくちゃだけど、俺らがやらなければ聖都の……守るべき命は消える。
俺は日頃の地獄の特訓に付いてきてくれたお前達を信じる。
俺達の腕ならば、必ず全ての目を射抜けるはずだ。
やるぞ……やらなくてはならない。
今までの厳しい訓練や、我らの生きてきた理由は、今この瞬間に任務を成功させる事だ。
まさか化け物相手になるとは思わなかったがな。
ボーナスは弾むように言っておく」
各人は己の与えられた使命の重さを痛感した。
「割り当て完了……いつでも行けます」
「よし……閃光球を敵前方上空に出現させよ!!」
空に徐々に光が現れ、大きな輝きを放つ。
大蛇はなにが起きたのかと、空中に現れたほのかな光を見つめた。
「今!!各隊攻撃5秒前、4……3……2……1……撃てえぇぇぇぇぇぇつ!!」
ターーーン!!
同時に破裂音がこだました。
銃神ダルサイノ率いる特化狙撃部隊は、同時発射を行い、化け物の多くの目を潰す事に成功した。
しかし……。
「い……1発外れたっ!!!」
誰かが叫んだ。
ギュオォォォォォアアアアアッ!!
凄まじい雄叫びと共に、蛇がのたうち回る。
隣にあった山が他の狙撃部隊ごと潰され、大きな土煙があがった。
まだ目が一つ残っている。
この土煙が晴れた後、怒り狂った化け物は聖都に何をするのか、想像するだけでも背筋が凍る。
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後日の犯人探しの水掛け論も熱かろう。
攻撃許可が出ています → 攻撃許可を求めています ?
ここで初めて(というか唐突に)、化け物が巨大な蛇の形をしていることが明らかになりました。
ここより前に、化け物の姿形の描写があれば良かったかも・・
キングシーサー「汝左目にレーザーを受けたら右目から帰せ」
o 各自
地対空ミサイル野直撃なら目を潰せたかもしれませんが・・・
この狙撃部隊の有用性て飛行艇艦隊より上やろ