すいません。
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クルセイリース大聖王国 ワカスーカルト
「おのれ……おのれ……おのれぇぇえぇぇぇぇっ!!!」
ワカスーカルト防衛長官、エル・ガンエンは怒りに燃えていた。
軍王ミネートの側近「メナス」の裏切りにより、聖都地下に封印されていた極めて巨大な化け物が復活し、聖都は灰燼に帰し、さらに聖都臣民の多くが喰われたという報が入る。
彼の実家は聖都にあるため、心配で胸が張り裂けそうになる。
現場は極めて混乱しており、両親と妹が助かったのか、それとも喰われたのか……全く情報が入らない。
化け物は聖都の民を食い、このワカスーカルト方面へ向かってきているとの情報を得たため、彼はワカスーカルト手前で化け物を食い止める事を決意し、黒月族の古代兵器キル・ラヴァーナルを町の東へ移動させていた。
ワカスーカルトは日本国との戦闘前に多くの住民の避難は完了していたが、まだ動けぬ少数の者達や、自らの意思で町に残った者達もおり、彼はワカスーカルト防衛長官としての職責を自覚し、聖王国臣民を護るため、邪神を倒すために前に出る。
キル・ラヴァーナルの操縦室には外の映像が反映されていた。
やがて眼前にある山の先に、闇よりも暗い黒い影が現れた。
「来やがった!!」
操作の宝石を右手に巻き、操縦室前の石版に手を触れる。
エル・ガンエンが石版を撫でると古代文字が光輝き、室内の石が魔導の力によって動く。 やがて、キル・ラヴァーナルの長射程最大威力兵器が選択された。
「ちょろちょろ動く敵には使えなかったが、お前みたいなデカい的にはちょうど良い」
キル・ラヴァーナルの前方空間が黒く歪む。
黒いボールが出現し、周囲の空間を圧縮し始めた。
黒いボールの周囲には、微粒子の摩擦により電位差が発生し、雷のようなものを形成する
「ぐうぅぅぅうぅっぅつ!!」
エル・ガンエンの表情が苦痛に歪む。
神話級兵器を動かすという事は、術式構築に相応の魔力を消費する。
クルセイリースにおいては途轍もない魔力の持ち主である彼だが、黒月族の兵器を動かすという事は、相当な苦痛を伴っていた。
最強クラスの威力を持つ兵器を起動させる。
苦しみは化け物に対する怒りと気合いで乗り越える。
「ぐううぅぅっ!!はあっはあっはあっ………」
口からヨダレを垂らす。
「見せてあげよう、神話級兵器の……キル・ラヴァーナルの雷を!!」
キル・ラヴァーナルの最低可動部以外全ての攻撃魔力を使用した攻撃魔法、空間圧縮魔法が発動する。
「天の炎を喰らうがよい!!」
エル・ガンエンは発射の為の魔力を入力した。
キル・ラヴァーナルから放出された黒くて巨大なエネルギー球はまっすぐに八岐大蛇に向かう。
周囲の空間を歪ませ、エネルギー球が通過した場所の下にあった大地は削れる。
黒く輝くエネルギー弾は大蛇に命中し、その威力を解放、大きな爆発が出現した。
タグ:日本国召喚
コメントありがとうございます。
流石に更新が滞り過ぎて、まさかいきなりコメントが来るとは思っていませんでした。
今年の夏までの、全く自分の時間が無い状態は過ぎましたので、更新していこうかと思います。
>更新ありがとうございます!
投稿お疲れ様です!
先生もお変わりなくて何よりです。
文句言いつつも、これは間が空いても続きを読めるんだよな。記憶が薄れたら読む気がしなくなる作品が多いのに。
待ってました!
苦しんで涎を垂らしているのに妙な余裕w
書籍の次巻も待ってますよ!(編集部アピール)