2024年08月25日

第144話命をかける者たち2P2

◆◆◆

 海上自衛隊 第4護衛隊 イージス艦ちょうかい

 イージス艦ちょうかいは、沖合に舵を取り、突如現れた化け物と距離をとりつつ厳重な監視を行っていた。

「敵人型兵器、巨大生物と戦い始めました」

「すごい、何て威力だ!!」

 遠目に見ても解る巨大な爆発。
 まるで山が吹き飛んだのでは無いかと思えるほどに強烈な爆発だった。

「奴らは味方ではなかったのか?」

 彼らの首都上空から一斉に空飛ぶ船のレーダー反応が消えたと言う報告、そして巨大生物と戦い始めた状況から見るに、「あれ」は彼らにとっても敵なのだろう。
 クルセイリースで何か異常な事が起こっているのは間違いなさそうだ。

「戦いの監視を怠るな」

 神話の戦いが眼前で繰り広げられる。

■ キル・ラヴァーナル操縦室

「はあっはあっはあっ!!」

 エル・ガンエンは息を切らして眼前のモニターを見る。
 モニターには吹き飛ばされた大量の土砂が巻き上がっている様子が映っていた。
 神話級兵器の最大攻撃に、生物などが耐えられるはずがなく、土煙と共に、消滅した可能性すらあった。 

「はあっはあっ……あれほどの威力の攻撃を喰らって生きていける生物などいるはずがない……やったか?」

 エル・ガンエンは大量の土砂を睨む。

「え?」

 土砂の向こう側、微かにシルエットが映った。
 モニターに見える化け物が微かに赤く光ったと思った瞬間。

 轟音と共にキル・ラヴァーナルが激しく揺れる。

「くっ!!何だ!!」

 石版の一部が赤く点滅している。右腕が消滅し、尻餅をつくように、キル・ラヴァーナルが倒れてしまった事を石版は示していた。
 人型兵器であることから、操縦室は常に上を向くよう設計されており、エル・ガンエンは計器を見て自らの状況を認識した。

「あ……あれが……効果が無かっただと?」

 動き始めた敵に驚愕と恐怖を感じる。
 神話に登場してきた化け物、かつては神が介入しても封印するのがやっとだったと言われる怪物。
 しかし、技術は進歩しており、キル・ラヴァーナルをもってすれば、必ず勝てると考えていた。
 恐怖が全身を駆け巡る。

「うおぉぉぉぉぉぉぉっ!!」

 エル・ガンエンは兵器を立ち上がらせ、砲門700門を使用して攻撃する事を決める。
 微かな操作ミスだった。
 焦燥、緊張、極度の疲労から、彼は石版の操作ミスで、科学の力を使用した電気式無線を常時発信状態にしてしまうのだった。

タグ:日本国召喚
posted by くみちゃん at 23:51| Comment(5) | 小説
この記事へのコメント
みのろうさん、信じていたよ。
Posted by まさゑの孫(北斗の拳妄想伝の初代スレの名無しです) at 2024年08月26日 00:55
「奴らは味方ではなかったのか?」


これ「あの生物は奴らの味方ではなかったのか?」のほうが正しいと思うが
Posted by 三世村正 at 2024年08月26日 16:17
>奴らは味方ではなかったのか?

奴ら = キル・ラヴァーナルと八岐大蛇 とするなら
「奴らは味方どうしではなかったのか?」
のほうがわかりやすいかも
Posted by at 2024年08月27日 07:02
決戦兵器を自衛隊に撃たれてたら終わってたな

更新待ってました
Posted by at 2024年08月28日 22:08
得る岩塩www
Posted by at 2025年02月17日 17:52
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