2024年08月25日

第144話命をかける者たち2P4

■ 
 
 クルセイリース大聖王国の西側に位置する小さな町、イルソルベの少女セイナは、東の山、リアルゴで、野いちごを摘んでいた。

「あ……あれは??」

 東側から闇がやってくる。
 おぞましい姿をしたそれは、徐々にイルソベの町のある方向に向かっていた。

「あれは?悪魔???町の皆に伝えなきゃ!!」

 駆け出そうとした瞬間、大きな人型の城が姿を現した。
 ワカスーカルトとイルソルベの町を護るかのように悪魔に対峙する。

 やがて、2本足で歩く城から大きな球が、悪魔を攻撃した。
 大爆発……。

「あの城は、私たちを護ろうとしてくれているかな?」

 しかし悪魔にはあまりダメージが無いようで、悪魔の攻撃によって、歩く城は倒れてしまう。
 
 それでも城は立ち上がり、攻撃を続けた。
 悪魔は関係なく進んでくる。

「ダメ……このままじゃ……このままじゃ!!」

 あれが危険なものであるという事は、本能で解る。
 迫り来る絶望。
 
「神様!!神様!!どうかあの悪魔を祓って下さい!!町の皆に被害がありませんように!!どうか……どうか!!」

 セイラが祈った時、西から何かが現れた。

 初期加速のためのロケット、そして太陽の光に反射した誘導弾だったのだが、彼女には光る球のようにも見えた。

 光の球は化け物へ向かい、手前で大きく上に上がる。
 天より現れし光の球は、一度上がった後、まるで天罰だと言わんばかりに上から化け物の背中に突き刺さった。

 猛烈な光と爆発が起こる。
 化け物はたまらず近くの海の方向へ走る。

 イージス艦ちょうかいから放たれた90式艦対艦誘導弾は、1回目の爆発で八岐大蛇の背中の肉を削ぎ、2発目でむき出しになった背骨に近い部分の肋骨の間にめり込んで爆発した。 内臓に大きなダメージを負い、付近に肉片が巻き散らかされる。

「ギョエァァァァァァァツ!!!!!!」

 八岐大蛇は今までに無いほどの形相と速度で海に向かって駆けだした。

タグ:日本国召喚
posted by くみちゃん at 23:56| Comment(5) | 小説
この記事へのコメント
感動的。
Posted by まさゑの孫(北斗の拳妄想伝の初代スレの名無しです) at 2024年08月26日 00:59
>野いちごを摘んでいた
>太陽の光に反射した

細かいことですみませんが、作中時間で現在は夜なのでは?
文明レベルを考えると野外は明かりもない真っ暗闇のはず?
Posted by at 2024年08月26日 02:47
自らの魔力を明かりに夜中にしか取れないイチゴを摘みに行く
そんな少女がいても良い
Posted by at 2024年08月28日 18:14
対艦ミサイルで肉えぐれるならキルラヴァの攻撃でも余裕で殺せるやろ
Posted by at 2024年08月29日 09:04
イルソルベの少女セイナ
セイラが祈った時

→どっち?
Posted by at 2024年08月29日 14:54
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