2024年08月25日

第144話命をかける者たち2P5

◆◆◆

 イージス艦ちょうかい

「ミサイル命中!!」

 遠目に見ても解る爆発が起こる。
 しかし、次の瞬間、化け物は艦から離れた海の方向に向かって一目散に駆けだした。

「背骨が折れているようには見えない走り方……ありゃ折れて無いですな、背骨。どうやら外したようです」

 副長が状況を見ながら感想を述べる。

「対艦誘導弾が命中しても死なない生物がこの世にいるなんて……」

「このままでは海に逃げられます!!!」

 対艦誘導弾の効果が少ない化け物、自分たちの常識でこの世界を測ってはいけない。
 肝に銘じてきた事だが、あまりにも規格外の事態に小圷は焦りを覚える。

「いかん!!残りの対艦誘導弾も発射しろ!!全弾使え!!」

 イージス艦からは残りの対艦誘導弾が放たれるのだった。

◆◆◆
 
 護衛艦から放たれた誘導弾は順調に化け物に向かっていた。
 しかし、化け物は凄まじく大きいくせに走っているため、その速度は時速200kmを超え、とんでもなく速い。

「命中まであと18秒」

 皆が固唾をのんで見守る。
 ミサイルは徐々に八岐大蛇に近づく。

「なっ!!」

 先ほど自分にダメージを与えた火球が複数飛んできている事を感知した八岐大蛇は、8ある首のうち、2つが前に出て、首をくねらせ、防御体系を形成する。
 その様子は離れていてもはっきりと解った。
 
「首にも序列があるのか?」

 次の瞬間、対艦誘導弾は爆発、八岐大蛇の首が2つ切断される。

「ギョエェェェァァァァァツ!!」

 断末魔のような声が聞こえ、体液をまき散らかしながら「ちょうかい」がいる部分とは離れた海に、八岐大蛇は到達した。

「い……いかん、潜ったぞ!!アスロック届くか?」

「射程外です!!」

「追うぞ!!」

 イージス艦ちょうかいは、直ちに第4護衛隊群に指示し、八岐大蛇の追跡を開始しようとする。
 しかし、化け物は水中速力40ノット以上の速度が出ており、引き離されて北西の海に消えるのだった。


タグ:日本国召喚
posted by くみちゃん at 23:57| Comment(7) | 小説
この記事へのコメント
みのろうさん、これからは週刊ペースですか?
映画化を期待します。
Posted by まさゑの孫(北斗の拳妄想伝の初代スレの名無しです) at 2024年08月26日 01:02
>8ある首のうち、2つが前に出て
進行方向前 はなく 誘導弾の飛んでくる方向の前 ということか
Posted by at 2024年08月26日 02:59
>一目散に駆けだした。
>化け物は凄まじく大きいくせに走っているため

蛇には足がないので駆けたり走ったりできないわけだけど、ちょうかいからは距離が離れているため大蛇とは認識できず、巨大な多足歩行生物が走っているように見えた、ということでしょうね
Posted by at 2024年08月26日 03:05
>「首にも序列があるのか?」

防御を担当した首2つは、
迎撃を指揮する首=強くて偉い首
ではなくて
盾がわりに被害を受けてもかまわない首=序列の低い首
ということになるわけですね
Posted by at 2024年08月26日 03:45
確かアメリカのVLAが射程9海里だったか


というかヘリはどうした
Posted by 三世村正 at 2024年08月26日 15:27
ここに来て描写がめっちゃ適当になってきたな…
Posted by at 2024年08月29日 08:11
対艦ミサイルが効果ありまくりなのに神の雷撃とやらでは無傷
どう言うこと?魔力を用いた攻撃は無効化する能力でもあるのか?
Posted by at 2024年08月29日 09:11
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