2022年10月19日

第137話古の超兵器2P6


◆◆◆

 ワカスーカルト南南東方向 上空 
 パーパルディア皇国 ワイバーンオーバーロード竜騎士団 プランク小隊

 時速にして430kmもの高速で竜が飛ぶ。
 厳選した遺伝子を使用し、潤沢な魔石による強化魔方陣を使って孵化したワイバーンオーバーロードは、通常のワイバーンに比べて圧倒的なる速度と旋回能力、そして攻撃力を誇る。 航続距離も相当に伸びている。

 皇国の誇るワイバーンオーバーロード竜騎士団。
 プランク小隊隊長、プランクは猛烈な風にさらされながら前を見ていた。

「敵、発見」

 プランクは敵がワイバーンであることが解り、踊り出しそうだった。
 対日本戦の際、空戦の切り札として戦線に投入されたが、ろくな空戦を経験する事無く祖国は敗北した。
 ムーの飛行機械を導入すべきとの声が軍部でも強くなってきていた。
 しかし、彼らオーバーロード竜騎士団はムーの戦闘機が相手でも勝てる自信があった。
 空戦の座を飛行機械に渡してなるものかと考えた。
 さすがに音速を超える日本の戦闘機には勝てる気がしないが、ワイバーン相手だと負ける気がしない。

 やっと巡ってきた。
 今こそ力を見せる時……永かった。
 プランクは拳を強く握りしめた。
 友軍は自分を会わせて10騎、敵は概ね120といったところか。
 数による戦力比は12倍。

「こちらプランク、全騎戦闘態勢に入れ、目の前の敵を蹴散らすぞ!!」

『了解!!』

 皇国の誇るワイバーンオーバーロード竜騎士団10騎は、前方から来るクルセイリース大聖王国竜騎士団120騎に突入を開始するのだった。
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第137話古の超兵器2P5


「あ……あれは!!!日本の戦闘艦が!!ちょうかいが砲撃しています!!!」

 艦長ガーラス、そして司令バイアは沖合のイージス艦を見る。

「おおぉぉぉぉつ!!」

 ダン!!ダン!!ダン!!ダン!!
 連続する発射音。
 そして敵の発射陣に正確に命中し、次々と沈黙していく。

「ま、まさか……全弾命中?しかも凄まじい連射だ。話には聞いていたが、あれほどとは」

 1つの砲から連続して発射煙が見える。
 命の危機があるときに我らを救った艦は、かつての敵国とはいえ、輝いて見える。
 射撃と命中による爆発は続いた。

◆◆◆

 イージス艦 ちょうかい

 重厚な砲撃音が艦内にも響く。
 やがて射撃が止んだ。

「敵陸上砲撃陣地沈黙」

「え?もう??」

 砲撃開始から、あまりにも早く終わったため艦長である一等海佐、竹嶋は驚く。

「これが……現代戦か」

 幹部がつぶやいた。

「砲撃は良いが、こちらに飛んできているワイバーンは困ったな」

「パーパルディアのワイバーンががすでに迎撃に向かってしまった。
 敵味方識別装置が無いから、誤射の可能性が出てしまう。長距離誘導弾が使えない」

「全く、迷惑な……」

 艦長は吐き捨てるように言った。
 隊員の命を預かる立場の者として、皇国の勝手な動きで武器を封じられたため、つい愚痴が出る。
 発光信号で伝えたときに、何もしないよう指示しとけば良かったが、後の祭りである。

「パーパルディアのワイバーンの位置は?」

「間もなく会敵します」

「いったん空域から離脱するようにパーパルディアに連絡してくれ」

「はっ!!」

 同盟国防衛のために飛行していったパーパルディア皇国であったが、実質的に日本国の足を引っ張ってしまうのであった。


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第137話古の超兵器2P4


◆◆◆

 クルセイリース大聖王国 ワカスーカルト南南東約70km
 本土防衛秘匿航空基地 コニア

 小高い山に円筒状の巨大洞窟があった。
 同所を整備し、ワイバーンの滑走路や空中戦艦の待機所を整備した基地、コニア
 上部は森に覆われ、上から見たならば森にしか見えない。

 整備された飛龍の滑走路からは、聖都防衛竜騎士団が次々と飛び立つ。

 生物だからこそ出来る、同時瞬間的離陸により、瞬く間に120騎が離陸した。

 力強い羽ばたきは、絶対に勝つことが出来るであろうと、見る者に絶大なる信頼を与える。
「やはり……我が軍の練度はすばらしい!!!」

 聖都防衛騎士団長セイルートは、配下の軍の動きを見て笑う。
 飛空戦艦の登場により、空の主戦力たる地位は奪われたが、ワイバーンにはまだ圧倒的な機動性がある。
 効果的運用が出来ればさらなる戦果を期待出来るはずだ。

 この戦いで、ワイバーンの有用性を認めさせ、竜騎士の地位向上を図る。

 セイルートにはこのような目論みがあった。
 彼自身、戦果を見届けるため、ワイバーンに騎乗して飛び立つ。
 120騎にも及ぶワイバーンの大編隊はワカスーカルト港に侵入した敵を殲滅するため、コニアを飛び立つのだった。

◆◆◆

 軍事都市ワカスーカルト湾 パーパルディア皇国120門級魔導戦列艦ジャスティス

 風神の涙が青白く輝く。
 帆いっぱいに風を受けた魔導戦列艦は動き出した。
 
 艦長ガーラスは街を睨む。

「やはり……竜で攻撃してきましたな」

 彼は隣に立つ司令バイアに話しかける。

「現時点、まだ飛行物体が飛んで来ているだけ……だが、100%攻撃だろう。
 街への砲撃準備に入れ!!」

 ワカスーカルトに対する無差別攻撃を準備する。
 パーパルディア皇国に容赦は無かった。

「はっ!!魔導砲への魔力充填!!
 砲撃準備、目標敵ワカスーカルト市街地!!」

「了解……魔導砲発射準備完りょ……」

 砲撃準備完了の報告が行われようとした時、それを遮って見張り員が叫ぶ。

「至急!!至急!!ワカスーカルト山岳地帯から多数の発射炎を確認!!!」

「くそっ!!」

 湾を囲むように山があり、同山から多くの発射炎が見える。
 その数は多く、瞬時に数える事は不可能だった。
 少し遅れて発砲音が響き渡る。

「取り舵いっぱい!!」

 直線運動による予測された未来位置での被弾を避けるため、船は旋回する。
 次の瞬間。

 ドドドドドド……!!!!

 28本もの水柱がジャスティス周辺に上がった。
 2本の赤い炎も出現する。

「右舷被弾!!」

 水柱の大量の海水を浴びながら、見張り員は叫ぶ。

「お……おのれぇ!!!」

 右舷に被弾したクルセイリース大聖王国の陸上配備型魔導砲は、ジャスティスの新型対魔弾鉄鋼式装甲を傷つけ、凹損させるも貫通には至らなかった。

「損傷軽微!!」

「最新式だぞ!当たり前だ!!!」

 回避運動を行いつつ、敵の発射位置を探す。
 発射位置を砲撃したいが、魔導砲砲撃手も照準を定められないでいた。

「いったいどうすれば!!」

 砲撃の数が多い。
 敵は最初から待ち伏せして攻撃するつもりだったのだ。
 艦長ガーラスは、敵国を睨みつけた。

「まずいぞ……え??」

 囲まれた砲撃は相当な危険が伴う。
 攻撃は彼の精神を削る。死の可能性が頭に浮かんだ次の瞬間、敵の発射陣地付近が猛烈な爆発に見舞われた。

 ドーンドンドンドンドンドーーーォォォォ

 破裂音が付近の山で跳ね返り、地鳴りの様に鳴り響く。
 爆発は、正確に、連続して起こり、その爆発力は相当に凄まじい。

「何だ?敵陣が勝手に爆発しているぞ」

「いったい何が起こっているんだ??」

 敵陣の爆発規模は魔導砲の弾着時の比では無く、見たことも無い威力だった。
 巻き上げられた土は、ゆっくりと空へ昇る。

 水兵達も、眼前の状況が理解出来ずに沈黙した。
 地響きは続き、敵陣は爆発し続けた。
 
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posted by くみちゃん at 21:34| Comment(4) | 小説