「何と言うことだ!!!」
日本国外務省本庁からのメールを開き、朝田は頭を抱える。
もう一度読み直し、大きなため息をついた。
「どうしました?」
落胆する朝田を見て、事務員が問う。
「シルカーク王国に先日、クルセイリース大聖王国を名のる国が砲艦外交を仕掛けた件だ……」
「何と?」
「シルカーク王国は、神聖ミリシアル帝国、ムー国、そして日本国に、圏外文明国侵攻の可能性有りとの書簡を送った」
「圏外文明国??」
「そう、文明圏と文明圏外国家のどれにも属さない国家の内、多くの支配領域を持ち、全貌の判明していない文明圏に匹敵する共同体もしくは国家の事を指す言葉だそうだ」
圏外文明国と文明圏外国家、何だか混乱する言い方だが、大層な表題に、事務員は察した。
「と、言うことは、未知の文明圏が我々の現在国交のある共同体に大規模侵攻をしてくる可能性があると?」
「そう、日本国政府が神聖ミリシアル帝国と、ムー国と調整した結果、東方の雄たる日本国が何とかしろと……。
圏外文明国の侵攻は、過去に大災厄をもたらしたことがあるとか……」
「と、なるとシルカーク王国が最前線ですね」
「そう……これからとてつもなく忙しくなる事が確定してしまった。
何てことだ」
朝田は膝から崩れ落ちる。
「まだ……俺は休めないというのかっ!!」
彼の落胆は2分程続いたが、気を取り直して職務をこなすのであった。
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