軍神の棟最上階
儀式の間において、魔道機械音が大きく鳴り響いた時だった。
「ギャァァァァァッ!!!」
「なっ!!」
「えっ??」
中心部にいた大魔道士5名が青色の炎に包まれ、灰となる。
「何があった??」
軍王はとっさに報告を求めた。
『不明です。術式も完璧で、術者防壁も完璧だったはず……現在原因を調査中です。なお、魔法(メテオ)の起動は成功し、敵艦隊付近に向かって星の欠片は落下を開始しました』
メナスはローブの下で舌打ちした。
「ちっ!出力を上げすぎたか、使えない魔道士どもめ……しかし、目的は達成出来そうですねぇ……フフフ」
メナスは皆に聞こえぬようにつぶやいた。
「なんてことだ!!!」
「気をつけろ!!防壁が破れている可能性があるぞっ!!」
突然の大魔道士の死に、術式に関わる者達は動揺を隠せなかった。
魔道を極めし者達の死は、国家の損失と言っても差し支えなく、軍幹部の衝撃も大きい。
動揺は波のように伝搬し、場全体に広がっていった。
「うろたえるなっ!!」
儀式の間全体に響き渡る軍王ミネートの声
「古代神聖魔法は発動している!!敵に1撃は加わるのだ!!
大魔道士の死、この無念さは筆舌に尽くしがたい!!しかし、死を無駄にするな。
うろたえるのでは無く、原因を特定し、再発防止措置を行え!!」
場は冷静さを取り戻す。
『防壁部の術式については現在原因を解析中、メテオについては魔力投影します』
ブゥゥゥン……
音と共に、立体映像が儀式の間に映し出される。
宇宙空間から大気圏へと突入し、空気の粘性発熱で高温の赤い尾を引く星の欠片が映し出された。
「おおおおぉぉぉぉ」
「こ……これが……」
初めて見るメテオ(国家級敵国殲滅魔法)に感嘆の声が流れる
星の欠片は重力加速度と指向性のある神通力に引っ張られ、速度を徐々に上げていく。
赤い炎の尾は徐々にその長さを伸ばしていくのだった。
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