2022年04月12日

第125話未開の大文明2P3


 カルクは、横暴なカムーラを睨み付けて話す。

「私からもお伝えしておこう。
 我がシルカーク王国は、日本国と国交を結び、友好関係にある国家である。
 もしも我が国を攻撃すれば、我が国内にいる日本国民にも被害が出るだろう。
 日本国を著しく刺激する事になることを忘れるな!!」

「日本国?何だそれは。
 お前たちの宗主国でもすでにいるのか?
 お前たちの国家群の上位共同体として、文明圏というのがある事はすでに調査がついている。
 その中でも列強と呼ばれし国、パーパルディア皇国だったか?
 そこが相当な領域を支配している事も調査済みだ。 
 最初に絶望を与えておいてやろう。どうしようもない絶望をな……。
 お前たちが列強と恐れるパーパルディア皇国でさえ、我が国の軍事技術をもってすれば、あっさりと敗れ去るだろう」

「日本国の技術レベルはそんな次元を遙かに超越している。
 調査不足で日本国を刺激し、敗れ去った国は多々あるのだ!!
 あなた方の出した2ヶ月は、自分たちの命が伸びた2ヶ月だと思え!!
 あなた方の話しを聞いていると、国内でも意見が割れているようだ。
 日本国の調査をいい加減に行う事は、貴国が亡国の道を歩む事と知れ!!」

「ふん!!強がりを!!!
 虎の威を借る狐のような国だな。
 もっとも、その虎でさえも我が国の敵では無いが。
 まあせいぜいあがけ!!」

 会談は終了した。




◆◆◆
 
 シルカーク王国 王都タカク 練兵場広場

 白髪、白髭を生やした老人が遠い目で練兵場を眺めていた。
 
「シエドロン様、北方約150kmの地点に飛行物体を確認しました。
 付近にも何機かいます」

 第1飛空艦隊長シエドロンは部下からの報告を受ける。
 
「ワイバーンではないのか?」

「いえ、魔力反応がほとんど検出されません。
 これは電磁反射式測定装置で捕らえたものです」

「ほう……珍しいな」

 飛空艦を飛ばすにしても、相当な魔力が漏れる。
 今回の測定結果は、魔力反応がほとんど無い相当に大きな物体が空に浮かんでいる事を示していた。

「新世界の文明との接触は、何と刺激的なのか」

 しばらくして外交担当の一団を収容、飛空艦隊は、北方向を飛行している物体の調査を行った後に帰国する事となった。


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第125話未開の大文明2P2



◆◆◆

 シルカーク王国 王都タカク サルカ城

「クルセイリース大聖王国の使節団の方々をお連れしました」

 王都の……しかも王城に直接乗りつけた飛空艇団、日本国の機体が故障したものと思い込んでいた軍部は、日本国のものではないと知り、大騒ぎになっていた。
 着陸した機体の調査を進めたところ、クルセイリース大聖王国なる国の外交官が乗っている事を知る。
 
 本来ならば外交担当の職員が対応をする所であるが、直接王都に乗り付けてきた未知なる高度文明国家が相手であるため、シルカーク王国外交の最高責任者、カルク外務郷が急遽対応することとなった。

 クルセイリース大聖王国と名乗る5名の使者は、カルクの対面に着席、挨拶を交わした。
「クルセイリース聖王国の皆様、初めて我ら2国がお会い出来た事を光栄に思います」

 彼は社交辞令から入る。

「さて、この度はどのようなご用件でしょうか?」

「最初に訂正しよう。クルセイリース 大 聖王国だ。
 私は軍外交担当のカムーラという。
 貴国とは国交を結びたいと思い、やってきた」

 カムーラは事前に準備してきた資料をカルクに渡す。
 事前の打ち合わせには無い行動に、ミラは怪訝な顔をした。

「カムーラ殿、資料は私が用意しているが?」

 刺すような視線でカムーラを見る。

「案ずるな、ミラ。これは軍王様からの指示だ。
 資料はこれで正しい」

 カルクは資料を読み進める。
 次第に顔が赤くなっていった。

「クルセイリース大聖王国の皆様、これは本気でしょうか?」

「ん?何か問題でもあるのか?」

 無礼な言に、カルクはさらに顔を赤くする。
 あまりの怒りで青筋が額に浮かぶ。

「大ありです!!この内容では従属国、いや、奴隷国家ではないですか!!!
 初めて来た者達が王都上空に乗り付け、このような無礼な文を、無礼な態度で手渡す。
 国家として非常識極まりない!!」

「非常識ではない。
 従属か死かを問うているのだ」

「ちょ……お待ち下さい!!」

 あまりにも事前に聞いていない展開に、ミラが割って入る。

「カムーラ殿、越権行為が過ぎる!!
 聖王ジュウジ様の決裁を取った文章は私の手元にある。
 そのような強硬な姿勢は示されておりませんぞ!!!」

「何だミラ。お前は聞いていないのか?
 聖王ジュウジ様は先ほどお亡くなりになった。
 理由は解らんがな。
 今後は聖王子ヤリスラ様が全権を握る。
 ヤリスラ様は外務に関しては、軍王ミネート様にお任せするとの御言葉を発せられた。
 ミラよ……お前こそ出る幕ではない」

「なっ!!」

 ミラは思考を巡らせる。
 聖王子ヤリスラはまだ5歳の子供であり、親である第3女王ラミスの言いなりだった。
 ラミスは軍王ミネートに絶対の信を置いている。

「しかし、カムーラ殿、ここは外交。国内に有事があればこそ、意見調整を行った後に出直す事が重要ではないのか」

「お前の意見等は聞いていない。
 先ほど魔信文が来た。
 マジックチェーン技術により封がされていて、複製は不可能だ。
 これは国の決定事項である」

 ミラは苦虫をかみつぶしたような顔でカムーラを睨む。
 カムーラはそんなミラを無視して、シルカーク王国外務郷カルクを見た。

「従属はお前たちにとって、悪い話しばかりではないぞ。
 貴様らのような低文明国が、我が国の高度文明に触れる事により、国民の生活レベルは向上する。
 お前たちが国民の事を真に想うのなら、従属すべきであろう」

「……検討したい。
 今日のところはお帰り願う」

「ふ……私は寛大だ。
 国の命運を左右する重要な決定事項。
 良いだろう。2ヶ月後……2ヶ月後にまた来よう。
 その時までに、従属か死かを選ぶが良い」

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第125話未開の大文明2P1

文明圏外国家 シルカーク王国 王都タカク 東側上空

 大空を飛ぶプロペラの付いた船、マストには菱形を2つ重ねたような十字状の旗がはためく。
 3隻の飛空艦は北西の島国への偵察、そして威嚇を兼ね、編隊を組んで飛行していた。
 やっと見えてきた陸地……。
 物語や漂流物で思いを巡らす事しか出来なかった伝説の陸地が見えてくる。

 クルセイリース大聖王国飛空艦隊が初めて飛ぶ空だった。

 地上を見ると、海に張り付くように白色を基調とした建物が並ぶ。

「やはりこの方向には文明があったのか」

 軍に籍を置く外交担当のカムーラは地上を見てにやける。

「くっくっく………はーっハッハッハあ!!!しかもこの文明レベルの低さよ!!」

 カムーラの中で野心が芽生える。 

「カムーラ殿、我々は制圧ではなく、外交に来ている。
 今回の目的も他国との接触、外交であるという事をお忘れ無く」

「はっ!!ミラ、お前の考えは甘い。
 聖王女ニース様の騎士が長すぎて、現実が見えなくなるのか?現場から離れすぎたな。
 支配と領土拡大無くしてこれ以上国の発展は無い。
 我らが飛空艦の航続距離が上がり、新天地が見つかったというのに、喜ばずにはいられるか!!!
 しかも、北西の……伝説の新世界だぞ」

「目標を見誤るのはどうかと。
 征服について聖王女ニース様はもちろん、聖王ジュウジ様もお望みではない」

 ミラに釘を刺されたカムーラは不快感を露わにする。

「ちっ……お?ワイバーンが上がってきたぞ。
 飛空艦隊長!!攻撃を受けたなら撃ち落としても良いからな。
 良い開戦の口実になる」

「はっ!!」

 日本国の機と勘違いしていたシルカーク王国竜騎士団は飛空艦を攻撃する事無く、王城の南側にある練兵場広場へと誘導するのだった。


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